2024年8月8日夕方、宮崎県沖で起きた地震を受けて気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を初めて発表しました。巨大地震への注意が呼び掛けられていて、県内でも地震への備えを確認するなど様々な対応がとられました。
<山本太朗記者>
「さきほど南海トラフ地震臨時情報が発表されましたが、ご覧の通りお店も通常通り営業も続いていて、目立った混乱はありません」
<店の店主>
「あんまり慌てた行動をとると、それはそれでよろしくないので、冷静にやっていきたいと思っている」
宮崎県沖で発生した地震に連動して別の巨大地震が起きる可能性が平常時より高まっているとして気象庁が「南海トラフ地震臨時情報巨大地震注意」を発表し、静岡県内でも対応に追われました。
県は今後1週間、120人体制で24時間警戒にあたります。

浜松市は、8月9日午前、災害対策の会議を開き、中野祐介市長が巨大地震が発生した場合に避難所を開設することを想定して職員の配置や資材の準備を指示しました。
交通機関も対応をとりました。JR東海は、東海道新幹線の三島駅と三河安城駅の間の上下で1週間程度通常より速度を落として運転しています。この区間を走る新幹線には少なくとも10分以上の遅れが見込まれます。
<山口駿平記者>
「JR静岡駅です。巨大地震注意の発表を受けた混乱は見られません。」
<利用客男性>
「やむをえないんじゃないですかね。ある程度時間に余裕をもって計画を立てているので問題ないと思います」
<利用客女性>
「(イベントに)遅れちゃうかなという心配はあるんですけど、時間見ながら行こうかなと思います」

静岡県富士宮市にある道の駅「朝霧高原」です。夏休み期間中とあって多くの観光客が訪れていましたが、ここでも南海トラフ地震への注意を促す表示が出されていました。
<鈴木康友静岡県知事>
「1週間は報道機関等からの最新情報を確認いただくと共に『日頃からの地震の備えの再確認』及び『地震が発生したらすぐに避難するための準備』をお願いします」

鈴木知事は8月9日、県民に対し地震の備えの「再確認」やデマやうわさ話など根拠のない情報が広まることについて注意を呼びかけました。
8月10日以降の県主催のイベントは通常通り実施予定だということです。

一方で、延期を決めたイベントもあります。焼津市観光協会は8月14日に予定していた「焼津海上花火大会」を延期すると発表しました。来場者の安全を考慮した判断だということです。
こうした中、気象庁は午後3時半に情報を更新し、「今のところ、地震発生の後、通常とは異なる地殻変動は観測されていない」と明らかにしました。
宮崎県沖の日向灘で発生した地震に連動して別の巨大地震が発生する可能性は普段よりも高い状態が続いていますが、8月8日夜の時点から高まっているわけではないということです。