2026年、開館40周年を迎える静岡県立美術館は、屋外彫刻作品の修復費が足りないことから初めてのクラウドファンディングで資金を募ることを始めました。
<県立美術館 木下直之館長>
「残念ながら、現在では表面の塗装がはがれ、白さびも出ているというようなかなり悲惨な状況になっております。開館当初の魅力をもう一度取り戻そうと考えております」
修復のための費用が足りず、初めてのクラウドファンディングで資金を募るのは、県立美術館の屋外に展示されている大型彫刻作品です。
アメリカの彫刻家、トニー・スミスによる高さ3m50cmの作品「アマリリス」は、開館時から展示されている美術館を代表する作品ですが、表面が錆びて剥がれ落ちるなど、劣化が進んでいます。
また、清水久兵衛の作品「地簪」は、特徴的な赤色がはげ落ち、下地のアルミ部分が露出してしまっています。
作品の修復には多額の資金が必要ですが、県の修復予算は減少傾向で足りず、美術館はクラウドファンディングを始めました。
クラウドファンディングはふるさと納税の制度を利用し、10月30日までの3か月間で1000万円を集めることを目指すということです。
集まった資金は修復費をはじめ、美術館の植栽やベンチの整備にも使われるということです。