「城北公園でラテが飲みたかった」とん挫したスタバ設置計画めぐり 出店望む若者が市に約700人分の署名提出=静岡市

カフェの整備計画がとん挫した静岡市の城北公園の在り方について、地元の大学院生が7月22日、難波市長に直接要望しました。大学院生は「多くの市民が共感できる公園整備をしてほしい」と訴えています。

7月22日、静岡市の難波市長に701人分の署名と要望書を手渡したのは、静岡大学大学院に通う、土屋宏斗さんです。土屋さんが求めたのは、市民の憩いの場として親しまれる「城北公園の整備」です。

<静岡市政担当 植田麻瑚記者>
「高い木々に囲まれ、暑い夏でも日陰では比較的過ごしやすく感じられます。静岡市葵区の城北公園では、2年前まで、幅広い世代に人気のカフェを設置する計画がありました」

静岡市立図書館のほか、日本庭園などが整備され、市民の憩いの場として親しまれる城北公園。静岡市は民間企業と連携して、駐車場やドライブスルーを併設した「スターバックスコーヒー」を設置する予定でした。しかし、駐車場の整備などで100本以上の樹木が伐採される恐れがあることから、市民団体が計画の見直しを要求。

静岡市は、ドライブスルーの設置を取りやめたほか、当初計画していた樹木の伐採本数より少なくするなど計画を修正しましたが、市民団体は「市民参画の手続きがない」などとして、実施協定の締結の差し止めを求め、住民監査請求を起こしました。住民の反発を受け、出店を予定していたスターバックスが出店辞退を表明したのです。出店を心待ちにしていた土屋さんは、オンラインでの署名活動を始めました。

<土屋宏斗さん(当時21)>
「城北公園でスタバが飲みたかったという気持ちが一番強くて」

SNSで情報を発信し、701人の署名を集めたのです。あれから2年…。

<市民>
「反対の署名してって言われて私は書きました。でもああいうお店もあってもいいかなって今思うと」
「木はなるべく伐採して欲しくないね。木を残して何とかうまくできればね」

土屋さんの要望書と署名を受け取った難波市長は、「住民への説明が不十分で、市のやり方も悪かった」と述べました。

<静岡市 難波喬司市長>
「しっかり重みを受け止めて皆さんにとっていい公園になるようにするのが市としての役割、使命なので」

市は、これまでの計画をもとに再検証し、2024年度中に住民説明会を開きたい考えです。

<静岡大学大学院 土屋宏斗さん(23)>
「スタバに限らず、魅力的な公園になってほしいなというのが一番です。市だったり住民だったりが一緒になって作っていくのが大事なのかなと思います」

城北公園でラテを飲める日は訪れるでしょうか。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

関連タグ

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1