男女とも銀メダル!パリへ視界良好!「バレーボールネーションズリーグ2024」 日本代表まとめ

ネーションズリーグはバレーボールの大会、年に1度開催される世界規模のビッグマッチです。今年開催の「バレーボールネーションズリーグ2024」は5月14日(火)に開幕しました。

SBSテレビでも実況生中継した日本ラウンド(開催地/福岡)は男女とも既に終了しましたが、その後の試合結果もレポートしていきます。

「バレーボールネーションズリーグ」とは?

世界のトップチームが競い合うこの大会、参加国は男女とも「コアチーム」と「チャレンジャーチーム」などから構成されるそれぞれ16チーム。

「コアチーム」はバレーの強豪国が選ばれ、この大会への参加が確約されたチームです。日本は男女とも「コアチーム」に選ばれています。

一方、「チャレンジャーチーム」は、出場権を失う可能性のあるチームで、大会で下位に沈めば他の国との入れ替え戦に臨み出場権を確保しなくてはなりません。

参加国は予選ラウンド12試合を戦い、勝ち点の多い上位8チームがトーナメント方式のファイナルラウンドに進出し、優勝を争います。

■男子日本代表 日程
予選ラウンド第1週 5月22日(水)〜5月26日(日)開催地/ブラジル
予選ラウンド第2週 6月4日(火)〜6月8日(土)開催地/日本(福岡)
予選ラウンド第3週 6月18日(火)〜6月23日(日)開催地/フィリピン
ファイナルラウンド 6月27日(木)〜6月30日(日)開催地/ポーランド

■女子日本代表 日程
予選ラウンド第1週 5月16日(木)〜5月19日(日)開催地/トルコ
予選ラウンド第2週 5月28日(火)〜6月1日(土)開催地/中国
予選ラウンド第3週 6月12日(水)〜6月16日(日)開催地/日本(福岡)
ファイナルラウンド 6月20日(木)〜6月23日(日)開催地/タイ

パリオリンピックでメダルを!バレーボール男子代表

日本代表の男子チームにとってこの大会は「パリオリンピックの前哨戦」と位置付けられ、悲願のオリンピックでのメダル獲得に向けた重要な大会となります。

去年9〜10月のオリンピック予選で5勝2敗の好成績をあげ、すでにオリンピック出場権を得ていた男子代表、大会前の世界ランクは4位とメダル獲得が現実味を帯びる立場にいました。

急速に力を伸ばし世界のトップレベルへ躍り出た男子代表ですが、その躍進の原動力となったのは、繰り返し行われた海外遠征でした。

世界を相手に経験を積み、威力あるサーブにも動じないレシーブ力と強烈なスパイクに対応する守備力を磨き、更にトリッキーなプレーも織り交ぜた多彩な攻撃を加え、好成績に繋げています。

今大会で強豪国相手に結果を残せば、1972年ミュンヘンオリンピック金メダル以来、実に52年ぶりのメダル獲得がぐっと近づく…大きな目標を見据え、この大会に臨みました。

今大会の男子代表 銀メダル獲得!パリオリンピックへ視界良好!

大会に入り、世界ランキングで格下のアルゼンチン、セルビア、キューバに3連勝。4戦目で同2位のイタリアには敗れたものの、第1週を3勝1敗で終えました。

そして、第2週の日本ラウンド、初戦のイランに幸先よくストレート勝ちすると、続くドイツ戦はセットカウント1対2のビハインドから2セットを連取し勝負強さを発揮します。

ランキング1位のポーランド戦には選手を入れ替えて臨み敗れましたが、ランキング5位のスロベニア戦は、セットカウント1対1の後、1点を争う競り合いの展開となった2セットを連取。メンタルの強さを見せつけました。

ライバルチームの取りこぼしもあり、世界ランキングは3位へ浮上。パリでのメダル獲得を視界にはっきりと捉え、第3週のフィリピンラウンドへ。

第3週の初戦はランキング12位のカナダ戦。この試合にフルセットの末に敗れると、ランキングは6位に。わずか1つの敗戦でランキングが急降下することから、改めて男子バレー界の実力の拮抗ぶりが分かります。

しかし、ここからが男子代表の真骨頂。オランダにはストレート勝ち、オリンピック開催国フランスにはフルセットまで持ち込まれますが、この試合にも勝利。そして、ランキング上位だったアメリカに3-0と完勝し、3連勝で予選ラウンドを締めくくりました。

予選ラウンドを終えた時点で男子代表の世界ランキングは2位に!オリンピック本番の予選の組み合わせで有利となるポット1(トップシード)の座を手にしました。

ネーションズリーグの順位は9勝3敗の4位。ポーランド開催のファイナルラウンドへ進出した男子代表は初戦でカナダに挑みました。予選ラウンドではフルセットの末敗れた相手に対し、この試合は接戦の2セットを力強くもぎ取るなどストレートで完勝、好発進します。

準決勝は世界ランキング3位のスロベニア戦。予選ラウンドでは日本が底力を発揮し接戦をものにしましたが、この試合はそれ以上の内容を見せます。

力の拮抗したライバルとの戦いは第2、3セットとも1点を争う息詰まる接戦となりましたが、その2セットを連取。特に第3セットは緊迫した流れの中でも持てる力を発揮、31-29と勝ち切る姿はチームの熟成を感じさせました。

迎えた決勝は世界ランク5位で東京オリンピック金メダルのフランス。この試合も競った展開となりますが、フランスに要所で得点を奪われ1-3の敗戦。改めて現在の男子バレー界が群雄割拠であることを印象づけました。

ネーションズリーグは銀メダル、大会期間中に世界ランキング2位まで上昇。チーム力の底上げも着実に進み、パリでのメダル獲得に向け視界良好です。52年ぶりの快挙に向け、いよいよオリンピックでの戦いに挑みます!

パリオリンピック出場のラストチャンス!バレーボール女子代表

女子代表の目標は明確でした。それは「パリオリンピック出場権獲得」。オリンピック予選ではあと1勝及ばず、惜しくも出場権を獲得することはできませんでした。

残されたオリンピックの出場枠は4。パリオリンピックの出場権は今大会の予選ラウンド終了時点での世界ランキングによって決まります。

出場権を得る条件は、(1)世界ランキングアジア最上位になる、(2)出場権を既に持つ国を除いた世界ランキング上位3チームに入る、この(1)と(2)のいずれかを満たす必要があります。

パリ出場権がない国の大会前の世界ランキングは、4位イタリア、5位中国、9位日本、10位オランダと続き、日本がランキングを2つ落とすとパリへの道が絶たれる状況でした。

今大会の女子代表 ネーションズリーグ銀メダル!いざパリオリンピックへ!

大会が始まると女子代表は躍動します。初戦でランキング1位のトルコを撃破し、格下のブルガリア、ドイツも破り3連勝。3位のポーランドには敗れたものの、3勝1敗で第2週へ。

第2週も勢いは止まりません。2位のブラジルに敗れた後は、フランス、中国、ドミニカ共和国を相手に3連勝を飾り、プレッシャーを跳ね返し、実力を発揮しています。

特にランキング5位の中国に勝利した後、ランキングが近いライバルのドミニカ共和国戦では第4セットで8点ビバインドから逆転で勝利を掴んでいます。

これで世界ランキングは大会前の9位から、第2週終了時点で6位にジャンプアップ。中国をかわしアジア最上位となりました。

日本へ戻った第3週、韓国にはストレート勝ちをおさめたものの、続く第2戦、勝てばオリンピック出場が決まる試合で、ランキングで下回るカナダ相手に2-0からまさかの逆転負けを喫してしまいます。

しかしその後、他国の試合結果により、ランキングを出場権獲得圏内を維持できることが確定。日本女子代表はパリオリンピック出場を決めました。

残り2試合となった予選ラウンド、ランキング8位のセルビア戦は攻守が噛み合いストレート勝ちでしたが、5位のアメリカにはストレート負け、課題の残る結果となりました。

予選ラウンドは8勝4敗、今大会での順位は5位となり、タイで行われるファイナルラウンドへ進出。その時点での世界ランキングは中国に抜かれ7位となりました。

迎えたファイナルラウンド、初戦の中国戦は中国がオリンピックを睨み主力を休ませたこともあり、ストレートで快勝し勢いに乗ります。

続くブラジル戦、今大会の成績で世界ランキング首位に躍り出ていた強敵に奮戦。サーブの出来の良さを生かしフルセットまで持ち込むと、最終セットをもぎ取り勝利!決勝進出を決めたのです。

決勝はブラジルが日本に敗れたことでランキング首位に返り咲いたイタリアが相手。2セットを連取され苦境に立ちますが、第3セットを取り返し成長した姿を見せます。

最終的には1-3と敗れますが、今大会の目標だったオリンピック出場権獲得以上の成果となる銀メダル。世界ランキング7位とした女子代表は、本番に向け期待が高まる結果を残しました。

静岡県ゆかり、富田将馬選手(三島市出身)

富田将馬(TOMITA, Shoma)1997/06/20生まれ アウトサイドヒッター
 

小学4年生から母の影響でバレーボールを始め、中学時代は東レアローズのジュニアチームである「アローズジュニア」でプレーしました。

そして、高校、大学と県外の強豪校でプレーした後、生まれ故郷の静岡県三島市に本拠を置く「東レアローズ」の一員として帰ってきたのです。

転機となったのは中学時代。富田選手はバレーに魅力を感じながらも学校には部活がなく、陸上競技部に所属しました。その姿を見た母親は知り合いの社会人クラブに練習参加をお願いしたのです。

これをキッカケに社会人クラブの練習に参加。そこからアローズジュニアの指導者との縁ができ、アローズジュニアへ加入。こうして中学時代にバレーを続ける環境が整いました。

そんな富田選手はひたむきに練習を重ね、2020年以降は日本代表にも招集、2022年にはVリーグのレシーブ賞を受賞するなど、圧倒的なレシーブ力を誇る名手へと成長します。

2023年のネーションズリーグにも出場した富田選手は、今シーズン末に東レアローズを退団しました。

心機一転臨んだ今大会では、出場機会が限られる中、日本ラウンドで世界ランキング1位のポーランド戦で先発出場を果たしました。

男子代表がメンバーを入れ替え戦ったこともあり、ストレート負けという悔しい結果となりましたが、この経験は富田選手をさらなる成長へと導くでしょう。

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