「イマーシブ」という言葉が注目を集めているのをご存じでしょうか。「没入感」という意味ですが、いま、静岡県内では物語の世界に入り込んだような体験を楽しめる「没入型」の観光の開発が進んでいます。
<VERBENA 南條未由オーナー>
「ようこそVERBENAへ」
<井手春希アナウンサー>
「すごい不思議な空間ですね」
<VERBENA 南條未由オーナー>
「こちらは魔法の世界をモチーフにした物語の中のカフェです」
<井手春希アナウンサー>
「絵本の中の世界に来たような感じですね」
イマーシブ=没入型の体験ができると話題の静岡市葵区七間町のカフェVERBENAです。まるで魔法の世界に飛び込んだような内装やインテリアで独特の世界観を表現しています。
<客>
Q.店に来てどんな気分?
「不思議な世界観という感じで、現実ではない世界にいる感じがする」
<VERBENA 南條未由オーナー>
「パンケーキです」
<井手春希アナウンサー>
「すごーい。白い煙が広がって、森をイメージしたパンケーキが出てきました。いい香りもしますね」
<VERBENA 南條未由オーナー>
「開けるまでは普通の木だったんですけど、開けた瞬間からパンケーキになるという演出です」
切り株をモチーフにしたパンケーキ。演出も楽しめるお店の看板メニューです。
<井手春希アナウンサー>
「いただきます。パイ生地がサクサクとした食感で、中のパンケーキ生地がふわふわですね」
オーナーの南條さんは、ここに来ないと味わえない「特別感」を生み出すことが大事だと話します。
<VERBENA 南條未由オーナー>
「とにかく非日常に浸っていただきたいので、日常的なことは一切口に出さず、没入感に浸っていただけるとうれしいです」
旅行情報誌「じゃらん」の調査によると「イマーシブ体験」に対して、20代から30代の半数以上が興味があると回答しました。
<井手春希アナウンサー>
「掛川市の高天神城跡にやってきました。ここではどんなイマーシブ体験ができるんですか」
<掛川市文化・スポーツ振興課 柴田慎平さん>
「当時の高天神城の様子を体験できるものをつくりました」
400年以上前に徳川軍と武田軍の決戦場にもなった山城・高天神城。静岡県掛川市は、最近の歴史人気に乗ろうとAR技術を使って戦国時代の様子を体感できるアプリを開発しました。
<井手春希アナウンサー>
「何か変わりましたよ」
<掛川市文化・スポーツ振興課 柴田慎平さん>
「ちょっと動かしてみてください」
<井手春希アナウンサー>
「すごい。こんなに大きな立派な門があったということなんですね」
<掛川市文化・スポーツ振興課 柴田慎平さん>
「ここは国の史跡。かなり価値のある史跡のため、建物の復元のハードルが高いが、AR・VRというのはまず一つの作戦と思って」
経済の専門家は「イマーシブ体験」が支持される理由として、ほとんどのことがスマホで解決できる現状があるといいます。
<静岡経済研究所 岩本真弥研究員>
「SNSなどで誰でも気軽に人の体験を疑似体験できる中で、イマーシブ、体験型のモノについては実際に自分がそこに足を運んでみないと体験ができないというところで、既存のメディアではなかなか伝わりづらいというところが、人気を呼んでいるのではと思っている」
静岡経済研究所の岩本研究員によると、イマーシブ体験は観光業界にとどまらず今後、企業の広告や商品のプロモーションなどにも導入が進んでいくのではということです。
