LIFEライフ

シズサカ

闘将ドゥンガ氏が語ったJ1開幕戦「ジュビロ磐田vsヴィッセル神戸」気になった選手は?シズサカ単独インタビュー!

2年ぶりにJ1に復帰したジュビロ磐田は24日にヤマハスタジアムで行われた開幕戦で、昨季王者のヴィッセル神戸に0−2で敗れた。シズサカ編集部は試合直後、スタンドで観戦したクラブOBのドゥンガ氏(60)に単独インタビュー。両チームの印象や気になった選手などを聞いた。

ドゥンガ氏はかつてブラジル代表の主将や監督を務めたサッカー界のレジェンド。

ー今日はジュビロにとって厳しい戦いになった。試合の感想を。
ヴィッセル神戸は昨シーズン優勝した、完成したチーム。いろいろな約束事もしっかりあった。スピード感があって、一瞬たりとも気を緩ませることができない状況の中で、J1 に戻ったばかりのジュビロ磐田は少し驚かされたのか、臆病な感じで試合に入ってしまった。リズムをつかむのにちょっと時間が掛かってしまった印象がある。

ージュビロはどこを改善するべきか。
日々修正するべきことは起こってくるものだが、まずはすべての判断をもっと早くしなければいけない。J1ではそんなに時間をかけてはいられない。練習では落ち着いてボールを持つことができていたが、今日は自信を持てないような形でボールを失っていた。もっとボールを持てるようにしなければいけない。

ー今日はパスミスも多かった。
判断が遅いからミスしてしまう。迷ってる瞬間に相手がくるから自動的にミスになってしまう。ボールが来る前にチームメートがどこにいるかを素早く、幅広く確認した上で動くことが必要だ。

ーヴィッセル神戸の印象は。
コンディションがしっかりできていたし、フィジカルも強かった。最近のチームは横パスが多い傾向があるが、神戸は攻撃時に縦のスピードがすごく速かった。三つ、四つのパスでゴール前まで到達していた。

試合の緩急のつけ方も分かっていて、対戦相手が落ち着いてきたな、ゆっくりになってきたなと思ったら、一気にスピードを上げて攻撃につなげてくる。今日のジュビロは相手との距離も遠く、相手に寄せようとしても遅れていた。

ー両チーム通じて気になった選手はいたか。
神戸にはたくさん良い選手がいた。ボランチの選手(山口蛍選手)のポジショニングが良かったし、ロングボールもすごく良かった。

ージュビロの選手は?
後半に入った選手の方が自信を持って落ち着いてプレーしていた。特に31番(古川陽介選手)はすごく気に入った。スピードもあったし、パスとか走るとか、全部きちんとしたスピードでプレーしていた。

ードゥンガさんらが築いた黄金期以降、ジュビロは「絶対的なリーダーの不在」を指摘される時期が長く続いた。リーダーに必要なことは?
自分自身がお手本になるんだという気持ちで何でもやる選手がいなければいけない。もっとチームメートに要求したり、怒鳴ったり、叱ったりということができる人がいなければいけない。

それは別にチームメートの誰それを叱るとか、誰それに怒鳴りつけるという話ではない。どの選手であっても、ミスがあったり、何か修正しなきゃいけない時には「あなたは役割を果たしていない」「あなたの役割はこうだろう」ということを言ってくれるような選手がピッチの中にいないといけない。

ーやはり闘将が必要?
今日のヴィッセル神戸を見ていると、ピッチの中でもそういうチームメート同士の言い合いや怒鳴り合いがあったし、何かあった時にチームの中で1人や2人じゃなく、選手みんなで審判にものを言いに行ったり、ベンチの人たちもダーッと出てきてものを言ったり。そういう、何か闘争的な部分を見せる必要があるのでは。

ジュビロはとてもおとなしかった。サッカーはおとなしくしてはいけない。ピッチの中で、選手たちは声を出さなければいけない。

1失点目の相手コーナーキックの時は「あいつがフリーだぞ」「そこ空いてるぞ」と、誰かが指示をするようなこともないまま、あっという間にやられてしまった印象だ。

ードゥンガさんがいた頃と比べ、Jリーグのレベルは上がっているか。
自分たちの時は、どのチームも外国人で他チームとの差をつくっていた。今は日本人選手のレベルも高く、日本人選手で良いチームを作ることができている。すごく感心するのは日本人選手は両足を使えるところだ。

ージュビロに向けて、“喝”を入れるとすれば。
「もっと自信を持て」と。J1に復帰したばかりとはいえ、上がった以上は相手と対等に戦わなくちゃいけない。そして、何かあった時に「ああ、こうなってしまった」と後悔するのではなく、何かが起こる前に声を出して、そうならないようにしなきゃいけない。

J1はもっと頭を使って、インテリジェンスを持ってやらないと勝てない。

ーサポーターの間では、いつかドゥンガさんにジュビロの監督をやってほしいという声がある。
将来のこと、未来のことは誰にも分からないが、僕はここに手助けするために来ている。

チームはJ1に昇格したばかり。今の横内監督を自分もクラブもサポーターもみんなでサポートしていくことが大切だ。どんなことでも手助けしたい。

ー久しぶりにジュビロサポーターのチャント(応援歌)を聞いて、どう感じたか。ファンへのメッセージを。
こういう雰囲気をまた味わえたことはすごくよかった。サポーターの声援もとても嬉しかった。

今年はチームにとってすごく難しい年になる。(選手15人が新加入し)チームも新しくなり、ほとんど作り直してるようなところだ。しかもJ1に上がったばかり。大変な時期なので、サポーターはどんな時も選手たちを応援してほしいし、支えてほしい。チームを心から信じて、毎試合足を運んでほしい。毎試合、力の限り応援して、選手たちに自信を与えてほしい。

この雰囲気。自分もまたヤマハスタジアムでプレーしたくなるぐらいいいものだった。
シズサカ シズサカ

「静岡サッカーが、好きだ!」そんなあなたにうれしいサッカー情報を、プロから高校、ジュニア世代まで幅広くお届けする無料アプリ。静岡新聞SBSのサッカーコンテンツが大集合しています。すべての静岡サッカー愛は、ここに集まる!

あなたにおすすめの記事

RANKING