
佐藤選手は活動拠点の岡山県で1人、黙々と汗を流していました。
<記者>
「孤独じゃないですか?」
<佐藤選手>
「孤独ですか?あまり気にしたことないですけどね。1日が24時間あっても足りないっす」
現在はオランダのコーチから送られてくる練習メニューを1人でこなしています。心拍数なども自分でチェックし、自分の身体と向き合います。

佐藤選手は21歳のとき脊髄炎(せきずいえん)を発症。下半身が動かなくなり、左腕にも麻痺が残りました。
車いす陸上の存在を知り競技にのめり込むと、10年で世界の頂点に輝きます。昨年の日本パラ陸上でも2位以下に差をつけて優勝。まさに敵なしの状態でした。
ところが、昨年の世界パラ陸上はベルギーのマキシム・カラバン選手が世界記録を更新して優勝。佐藤選手は2位に終わり、この種目で7年ぶりの敗北となりました。
<佐藤選手>
「昨年世界選手権で敗れるまでは、現状キープのままでも正直パリパラリンピックで金メダルを取れるだろうなって、自分の中の感覚としてあったと思います。気持ち的な部分でも燃え尽きかけていたのかなぁっていうのはあるような、ないような」
久しぶりに味わった悔しさでした。
<妻・佐藤麻由子さん>
「練習に関しては本当に真面目に取り組んでいるなと思います。大きな舞台でこそ力を発揮するのが佐藤友祈なので、金メダルを目指して毎日頑張ってほしいです」

一昨年に生まれた長男の刻(とき)くんも新たな原動力になっています。そんな佐藤選手のパリへの誓いは、もちろん!
<佐藤選手>
「世界新記録、そして金メダルを取るぞと。もっともっと(練習を)やりたい。24時間じゃ足りない。贅沢は言わないので30時間くらいほしいですね」
世界記録を再び塗り替え、「世界最速のパパ」の称号をパリの舞台でつかみます。