株価の上昇トレンドが続いています。1月15日、日経平均株価は一時、バブル期ぶりの高値に。後押しをしているとみられるのが1月から始まった「新NISA」の存在です。改めて投資の人気が加速しています。
<証券会社と電話をする投資歴60年の久保田さん>
「え、いくら?うん、きのう、上がったからな」
証券会社と電話でやり取りをするのは、投資歴60年の久保田雅士さんです。値上がりを続ける日本株に期待をかけてます。
<投資歴60年 久保田雅士さん>
「(これからも)徐々に上がると思いますよ。個人的には(過去最高の)3万8千何某というのに挑戦する時が来ると思う」
年明けから際立つ株高。15日は実に1990年2月以来、約33年11か月ぶりに3万6000円を突破する場面もありました。
久保田さんはバブル期とは異なり、今回は「健全な値上がり」だと分析しています。
<投資歴60年 久保田雅士さん>
「バブルの時と中身は違うと思いますよ。企業が利益を出して、要するに体力をつけているわけですよね」
株高の理由については、日本企業の好調な決算などが挙げられますが、2024年ならではの要因がNISAの拡充です。静岡市に本社を置く静岡東海証券では、年が明けてから「新NISA」の問い合わせが増えていると言います。
<静岡東海証券 佐野由幸参与>
「週に15、16件は入っている。今週もこの2日件で10件近く駆け込みで入ってると」
1月スタートした「新NISA」。株式投資などで得た利益にかかる税金の一部を非課税にする制度で1月になってから大幅に拡充。これによって個人資金が市場に流れ込み、株価を押し上げているのです。
現状だけを見ると株式投資は、いいことだらけに見えますが…。
<静岡東海証券 佐野由幸参与>
「NISA自体が非常に中長期的な視点で投資してくださいという制度ですので、テクニカル的には日経平均は上がりすぎてるのかなと目先的には思います」
人気が高値を呼び、高値が更なる人気を呼ぶというサイクルに入ったともいえる日本株ですが、長期的な視野を持つことが投資には必要だと言えます。
気になるのは今後の先行きです。静岡経済研究所の恒友仁常理事によりますと、秋のアメリカ大統領選や中国の今後の景気、ウクライナの状況変化といった株価に影響する不確定な要素がこの先多く控えているため「予断を許さない状況だ」ということです。