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静岡県を制したFCガウーショの柴原誠監督が掲げる「後出しジャンケン」のサッカーとは!?

サッカーの第47回全日本U-12選手権静岡県大会は静岡市を拠点にするFCガウーショの初優勝で幕を閉じました。ガウーショは創設3年目。今回優勝したイレブンは4年生の時に「しんきんカップ」、5年生の時に「しずぎんカップ」で優勝。この年代の県タイトルを総なめにしてきました。試合後、現役時代に清水エスパルスなどでプレーしていた柴原誠監督に話を聞きました!

「決勝は勝負に徹した」

ー優勝の感想を。
「選手たちを信じていたので、しっかりと優勝してくれてほっとしています」

ー創設3年目。この年代は4年生から県大会でチャンピオンになっています。
「まさか本当に描いていた通りになるとはという気持ちです。選手たちとは『思い出作りでサッカーをやるか。それとも勝ちにこだわり、やりたくない厳しい練習をやるか。どうする?』という話をしたことがあります。彼らは『強くなりたい。つらい練習をする』ということを望んだので、今回の優勝はつらい練習をしてきた結果かなと思います。今日も育成というよりは、勝負に徹する指導をしました」

ーつらい練習とは。
「もちろん素走りもあるし、求める基準値をかなり高く設定しました。パス1本にしても、本当にそのパスが全国大会で通るのかというところまで厳しく。その中で彼らは練習している。我々スタッフも半分嫌われながら、要求しています(笑)」

ーみんな基準値に達してきましたか。
「いや、全然駄目ですね。プロ基準で見てるので、インサイドパス一つとっても、全然できてない。なので、明日からまた走りこみですね(笑)」

ガウーショの名前の由来は?


ー決勝は前線からのプレスが目立ちました。
「ここまで来たら相手も強いし、どれだけ相手よりも一歩前に出られるか、相手より一歩早く走れるかという気持ちの戦いになると思っていました。我々スタッフは試合が始まってすぐに相手の強みと弱みを分析して『相手はこんなふうに戦っているから、こんなふうに守ろう』というのを選手たちに伝えるのが仕事。きょうは守備が前半からうまくはまったかなと思います」

ーガウーショの名前の由来は?
「僕が小さい時からロナウジーニョが好きだったので、ロナウジーニョの愛称から取りました」

相手がグーを出したらパーを出す

ーチームの指導方針やコンセプトは。
「チームの“色”はあえて付けないようにしています。相手がこうしてくるなら、うちはこうするよっていう『後出しじゃんけん』のようなサッカーを志向しています。相手がグーを出したらパーを出す、相手がチョキを出したらグーを出す戦い方を常に選手たちに教えています。打ち手をたくさん持ってる選手に育ってほしい。

今後3種、2種、1種に上がった時に、どんな監督になったとしても、どの監督に見てもらっても、どういうことを求められたとしても、しっかりと順応できる選手になってほしいからです。将来の可能性の幅を広げてあげたい。

見てもらって分かる通り、上手なチームではありません。でも1人1人特長がしっかりあって、同じような選手がいない。それぞれの特長を生かしながら、ベースの部分を育てています」

ー引いて守ることもあるんですか?
「あります。前半は半分様子見で0−1でもいいぐらいの気持ちで戦い、分析した後の後半に畳み掛けて3点取りにいく。それは選手の賢さの育成に繋がっていくのかなと思う。このチームはそれが浸透してきていると感じています」

いろいろな引き出しを持ってほしい


ー自身のプロ経験から、そういう考えに至ったのですか。
「そうですね。やっぱり僕もプロの時に監督によってチャンスをもらえたり、もらえなかったりがずっと続きました。いろいろな引き出しを持っていないと、中学や高校で潰れてしまう。小さいうちからいろんな打ち手を与えることで、将来に繋がるのではないかなというのが僕らの考えです」

ー全国ではどんな戦いを?
「自分たちよりも格上のチームも多いと思いますが、結果にこだわっていきたい。選手たちの後出しジャンケンがうまくはまるように、我々スタッフの分析力や選手に伝える力も上げて、選手たちと一緒に戦うことが大事だと思っています。

全国でもやっぱり一つでも多く勝って上の景色をこの子たちに見せてあげたいなと思っています。ただ、このままでは優勝できない。もう少し引き出しを増やさないといけない。個人個人のレベルアップも必要。今のままだと決勝トーナメント1回戦敗退ぐらいの力しかない。もう一声と思っています」
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