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【まきのはらタイムズ2025】スーパーの跡地に生まれた、地域を支える愛と絆のマルシェ。/丸い石が生まれ続ける、不思議なパワースポット。

地頭方マルシェA


『地頭方マルシェ』は、牧之原市地頭方(じとうがた)地区ではじまった、地域密着型のマルシェ。毎週月・水・金曜日の9〜12時、そして月に1度は休日に開催され、地元のお店を中心に、弁当やパン・菓子といったグルメから野菜・生花などが勢揃い。休日ともなると、300名ほどのお客さんが来場するそうだ。

地頭方マルシェのはじまりは2024年2月。きっかけは、地域で長く愛されたスーパー『新鮮市場JOY』の閉店だった。地域住民にとっては、買い物だけでなく、ご近所同士が気軽に会い、言葉を交わせる貴重な交流スポットだったというこの場所。2022年の閉店以降は、遠方のスーパーや商業施設まで足を運ばなければならない状態であった。

これを解消しようと立ち上がったのが、このマルシェの発起人であり地元の菓子屋『桃林堂』の店主である山下さん。

地域住民が買い物難民となってしまったこの状況を何とかしたいと、知り合いの店舗や各種イベント出展者に声かけ。その想いに賛同した事業者がグループとなり、開催日に交代で出展しているという。今では牧之原市内だけでなく、静岡市や袋井市といった遠方の事業者も参加し、総勢50件ほどの仲間ができたそうだ。

山下さん曰く、「地域のみなさんから感謝の声が届くのはもちろんですが、中には〝このマルシェがきっかけで、1ヶ月ぶりに知人に会えた〟という話もありました」とのこと。

また、若手のひとりで、企画やSNSなどの広報を担当する大石さんは「人口減少の中で、このイベントは地域が一枚岩になれるきっかけの一つ。地元をPRする場としての役割も担っています。将来的には周辺市町を巻き込み、地域性に左右されることなく、一体となって地域課題に向き合っていきたい」と語っている。

出展者同士も仲が良く、挨拶や活気に満ちあふれた地頭方マルシェ。地頭方地区を訪れた際は、人の温かみを感じにふらっと立ち寄ってみてはいかがだろうか。

写真キャプション:
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■地頭方マルシェA
住所:牧之原市地頭方248-1(新鮮市場JOY跡地)
TEL:090-4089-3244(代表:山下) 
駐車場:有  
営業時間:月・水・金曜日 9:00〜12:00、ほか月1度休日開催(詳細はInstagram「@maruche_jitougata」)
 

子生れ石B

川の近くに小さな祠が建てられ、『子生れ石』が祀られている。牧之原市西萩間  問い合わせ:0548-53-2623(牧之原市観光課)
 

牧之原市西萩間に丸い石が岩肌から生まれ続けるという不思議なスポットがある。場所は山間を静かに流れる御相談川(ごそうだんがわ)の一角。まん丸い大きな石が姿を現しては川床に落ちる様子が、子どもが生まれるように見えることから、地域住民の間では『子生れ石』と呼ばれ、子宝・安産祈願のパワースポットとして知られてきた。

約500年前の室町時代にはこの事象が確認されており、現在でも県内外からご利益の噂を聞いた多くの参拝者たちが足を運んでいる。

実はこの子生れ石は地質学的にはノジュールと呼ばれ、古生物の死骸などを核として球体上に非常に硬く固まった石。この子生れ石より柔らかい、砂岩などで構成された岩肌が川の流れによって削られることで、石が地表に現れ、やがて川床に落ちるというのである。

実はこの周辺一帯は『掛川層群』と呼ばれ、昔、比較的浅い海だったことから生物の種類や数が豊富で、化石が多く発掘されている地層がある。残念ながら、子生れ石周辺で古生物の化石は見つかっていないため、子生れ石は骨や貝殻など硬い組織を持たない軟体動物や木の化石などが核となっている可能性が高いとのことだ。

牧之原市の隠れた名所、子生れ石はパワースポットとしてはもちろん、地質学的にも一見の価値があるといえよう。

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