J1清水エスパルス、収益拡大へ改革着々 山室社長就任1年

 プロ野球ロッテの社長から転身したJ1清水の山室晋也社長(60)が、就任1年目から着々とクラブ改革を進めている。コロナ禍でスタジアム集客に大きな制限が設けられるなどの誤算もあったが、チーム強化の源となる収益の拡大に向けて手を打ち始めている。

ファナティクス社との提携で清水がスタジアムに設ける公式グッズ店のイメージ
ファナティクス社との提携で清水がスタジアムに設ける公式グッズ店のイメージ
山室晋也社長
山室晋也社長
ファナティクス社との提携で清水がスタジアムに設ける公式グッズ店のイメージ
山室晋也社長

 12月1日、グッズの企画製造、販売を手掛ける米企業の日本法人ファナティクス・ジャパンと10年間のパートナーシップ契約を締結。米プロスポーツに加え、サッカーの英マンチェスター・ユナイテッドなどと手を組み実績を上げている同社と、Jリーグクラブでは初の提携となった。
 同社はプロ野球ソフトバンクと2019年にパートナーシップ契約を結び、優勝関連グッズの売り上げや商品数を大きく伸ばしている。ロッテ時代の同社との接点を生かし提携に結び付けた山室社長は「ファンへの提供力や満足度が上がり、収益面でも貢献は大きい」と自信を示す。
 提携でスタジアムと静岡市清水区の公式グッズ店には変化が生まれる。目玉として計画するのは、ユニホームの背番号などをその場で加工してもらえるような購買体験。品ぞろえも広げ、オンラインを含めて清水は19年度実績で約4億円だったグッズ販売収入を倍増させる目標を掲げる。
 就任時に入場料収入とスポンサー収入の最大化を図る考えを示した山室社長。コロナ禍によってともに見通しは厳しいが、ロッテ時代に観客動員数の球団新記録をつくったリーダーは集客力アップにも意欲を燃やす。ホーム試合に入場ゲートに自ら立ち、客の声に耳を傾けながらスタジアムの魅力向上へ策を練る。

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