宝台院(葵区)外観に葵御紋 家康の側室 於愛の方の菩提寺 石柱も設置 資金募る 静岡市
徳川家康の側室・於愛[おあい]の方[かた]の菩提(ぼだい)寺「宝台院」(静岡市葵区)が徳川家とのゆかりを発信するため、外観変更や石柱設置に取り組んでいる。野上崇光副住職(24)は昨年の大河ドラマ「どうする家康」による関心の高まりを追い風に「寺の歴史に理解を深め、まちに魅力を感じてほしい」と語る。
於愛の方は2代将軍の秀忠の母。慈愛に満ち、家康から愛され、家臣からも慕われたと伝わる。同院によると、大河ドラマが放送された昨年の拝観者数は例年の約10倍に増えたが、「場所が分かりづらい」との声もあった。このため、本堂外観のしるしを仏教の教えを示す「法輪」から、徳川家紋「三つ葉葵(あおい)」に変え、徳川家とのつながりを前面に出した。
同院が所蔵する「阿弥陀(あみだ)如来立像」(通称・白本尊)は、戦場で家康に代わり矢を受けた逸話が残る国の重要文化財。貴重な寺宝をより多くの人に知ってもらおうと、同院近くの江川町通り沿いに「白本尊さまのお寺」と記した高さ約3メートルの石柱の設置も進めている。
完成は夏頃の予定。クラウドファンディングのサイト「キャンプファイヤー」で6月6日まで資金協力を募っている。
(教育文化部・鈴木美晴)