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静岡県産食材で味わう中華料理 14日新装開業「沼津倶楽部」公開

 沼津市の国登録有形文化財「沼津倶楽部」を活用したレストラン・宿泊施設が14日、リニューアルオープンする。1日に内部が報道陣に公開された。富士山を望む景勝地・千本松原の一角。沼津港に近い立地から外国人観光客の利用を想定するとともに、レストランは四川料理をベースにした中華料理コースを提供し、地域住民の利用も狙う。

国登録有形文化財の建物を活用したレストラン「茶亭」=沼津市千本郷林の沼津倶楽部
国登録有形文化財の建物を活用したレストラン「茶亭」=沼津市千本郷林の沼津倶楽部


 沼津倶楽部は旧ミツワ石鹸(せっけん)の社長三輪善兵衛の別荘として1913(大正2)年に建築された。ホテルや飲食店を手掛ける「GREENING(グリーニング)」(東京)が運営を引き継ぎ、昨年から改装を進めてきた。
 茶室などを客席にしたレストラン「茶亭」は最大56人収容可能。神奈川県鎌倉市の人気店「イチリン ハナレ」のシェフ斎藤宏文さん(47)=御殿場市出身=が監修した。キンメダイや鶏肉など県内産食材を生かした中華料理が味わえる。斎藤さんは「静岡は魚介類も野菜も朝取れの食材が食べられる」とメニューの魅力を語る。
 宿泊施設は全8室で、1階は土間に着想を得た開放的な造りの部屋が並ぶ。2階の一室「沼津スイート」は西陣織の壁紙やソファなどの調度品が並ぶ高級感ある室内になっている。今秋にはトリートメントルームも設ける。
 レストランはランチが7500円、ディナーが1万5千円(いずれもサービス料別)、宿泊施設は1泊2食付き2人利用で9万円台から。  国内外から誘客目指す photo03 運営継承したGREENINGの関口正人さん
 沼津倶楽部の運営を継承したGREENINGの関口正人最高経営責任者=CEO=(51)は1日、取材に応じ、「駿河湾や富士山を望む立地は潜在力がある」と語り、国内外から広く誘客を目指すとした。一問一答は次の通り。
 ―沼津倶楽部の魅力は。
 「100年以上積み重ねられた歴史がある。沼津は京都や鎌倉と違う『まだ知られていない場所』として外国人人気も集められる」
 ―想定する客層は。
 「歴史や文化に理解や関心の深い層。日本を訪れる外国人は禅に興味のある人が多い。(臨済宗中興の祖とされる)白隠の生まれた沼津は訴求力がある。レストランは高級感ある中華料理店として地元の方にも利用していただきたい」
 ―今後の展開は。
 「周辺には遊休不動産がある。将来、『沼津倶楽部』ブランドで建物を改装し、民泊施設として運営することを計画している」
(東部総局・尾藤旭)

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