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この人に聞きたい 日本のいま
ゲームライター
さくま あきら さん

聞き手 静岡新聞運動部・中村宝子

2019/07/08

地方の疲弊
未来を作る“オタク愛”

 1週間で650万部を売り上げた黄金期の週刊少年ジャンプの読書投稿コーナー「ジャンプ放送局」(1982~95年、集英社)に、累計出荷本数1200万本を超えるヒットを果たした家庭用テレビゲーム「桃太郎電鉄(桃鉄)」シリーズ―。当時の若者の圧倒的支持を集めたコンテンツを作ったのはゲームライターのさくまあきら氏(66)。現在は病気の影響で言語障害を抱えているが、マネジャーで妻の真理子さんを介して、東京一極集中の陰で疲弊し続ける地方の在り方や未来を担う若者への期待を語ってもらった。

 桃鉄の影響で当時地方ブームがありました。若者もゲームを通して駅名や特産品を自然と覚えることができました

さくま あきら さん
 ©静岡新聞社

 「最初から桃鉄を作ろうとしたのではなくて、元々好きだった電車や旅行、食の趣味の経験が生きた。今、旅番組ってたくさんあるけど、やっぱり実際に行ってみないことにはその土地のことは分からない。目で見て、食べて、歴史を知る。全国に出向いて、行ったことがないのは佐渡と稚内くらいかな。桃鉄に登場する地名や駅、物件は確かに実在するけど、プレイして覚えたという声は結果論だね。僕は西武線の上井草(東京都杉並区)の生まれで、その影響もあって西武鉄道グループ元オーナーの堤義明さんが好き。いわゆる鉄道王になりたくて、線路を敷くことで人の流れや町を作っていく沿線開発に関心があった」

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