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この人に聞きたい 日本のいま
ジャーナリスト 牧 久 さん

聞き手 静岡新聞社会部・鈴木誠之

2019/07/07

 7月21日の投開票に向け火ぶたを切った参院選。遊説カーの連呼はかまびすしいが、国政選挙で骨太の争点が乏しいと言われて久しい。この国の政治は、時代のうねりを、声なき声を、どこまでわきまえているのか。多様な分野で異彩を放つキーマンを訪ね、思いの丈を話してもらった。

労働組合 衰退
国鉄民営化に源流

 元国鉄担当記者として国鉄の分割・民営化や労働組合(労組)の舞台裏の攻防劇などを描いた「昭和解体国鉄分割・民営化30年目の真実」(2017年3月、講談社)や「暴君新左翼・松崎明に支配されたJR秘史」(19年4月、小学館)を著したジャーナリストの牧久氏(78)に、政治の場でも存在感が低下している労組や労使のあるべき姿などを聞いた。

 30年前の国鉄分割・民営化が現代にどう影響していますか

牧 久(まき・ひさし)さん
 ©静岡新聞社

 「昔は組合が守ってくれるという信頼があった。でも今は、労働者が不利な立場になっても誰も守ってくれないじゃないかって話になっている。なぜそうなったかというとね、その源流は国鉄分割・民営化にある。あれは国家ぐるみの不当労働行為をやったわけだよ。法律でもって決めて、国鉄を分割・民営化することで巨大な組合を分割するっていう。最大の国労(国鉄労働組合)は衰え、国労が支えた総評(日本労働組合総評議会)も衰えた。結果、総評に支えられ自民党と対決していた社会党も解体に追い込まれ、55年体制の崩壊と自民党1強時代につながっていった」

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