「どうする家康」でどう地域資源を発信する?~食の場合~
大河ドラマ「どうする家康」を契機に地域の歴史や観光資源の見直し、食や文化など地域資源を発信する事業に取り組み、地域活性化に役立てることを狙うさまざまな動きを見ることができます。殊に「食」に関するものは、観光振興やお土産は有力な施策として多くの取り組みがなされています。その動きをまとめました。
松潤監修の弁当アレンジ「三種盛り御膳」 浜松の竹泉が販売
仕出し料理の竹泉(浜松市浜北区)は23日、俳優松本潤さんが浜松まつり最終日に子どもたちに贈った弁当をアレンジした弁当「殿厳選 浜松三種盛り御膳」(予約制、税込み2376円)の販売を始めた。
まつりの後、監修弁当を手がけた同社に一般販売を求める声が200件以上寄せられたという。一般販売も検討したが、「子どもたちのための特別な弁当」との松本さんの思いを尊重し、新たな弁当を企画した。
木俣昭彦社長は「全く同じというわけではないが、浜松の魅力が詰まった弁当。多くの人に食材を味わってほしい」と話した。
松本さんは浜松まつり最終日の家康公騎馬武者行列を前に、板垣李光人さん、岡部大さん、甲本雅裕さんと同市中区の大河ドラマ館にサプライズ登場し、パレードに参加する子どもたちに弁当などを手渡した。
問い合わせ、予約は竹泉〈電053(586)5123〉へ。
(浜松総局・白本俊樹)
〈2023.06.24 あなたの静岡新聞〉
家康ゆかりの土産品第2弾 静岡・愛知の私鉄3社が共同開発
遠州鉄道(浜松市中区)と静岡鉄道(静岡市葵区)、名古屋鉄道(名古屋市)は24日、土産品として「徳川家康公ゆかりのご当地コーラセット」「葵の源氏パイ」を発売する。家康ゆかりの地に路線を持つ私鉄3社が共同開発した。
葵の源氏パイは、源氏パイで葵紋を描いた限定デザインのパッケージを採用した。塩キャラメル味など3種計21枚入りで同864円。三立製菓(浜松市中区)が生産する。
静岡県内では、新東名高速道の浜松と静岡の両サービスエリアや静岡空港などの売店で扱う。
(浜松総局・白本俊樹)
〈2023.06.15 あなたの静岡新聞〉
“家康ビール”完成 久能山東照宮などゆかりの地から酵母 産学官連携「静岡の代表格に」
静岡大の文理融合研究組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」(所長・大原志麻人文社会科学部教授)と、静岡市や静岡商工会議所などでつくる大河ドラマ「どうする家康」の活用推進協議会が開発を進めていた、徳川家康にちなんだクラフトビールがこのほど完成した。
大河ドラマを契機に観光消費に資する商材を官民一体で創出しようと、昨年秋に始まったプロジェクト。本県の発酵食品の価値検証を目的に2021年に創設された同研究所の大原所長は「歴史分野の教員を中心に家康公に由緒のある場所を洗い出し、酵母を探した。活動を通じて、彼が長い時間を過ごした静岡市がいかに恵まれた土地であるかを深く知った」と産学官連携の成果に感慨を込めた。
醸造を担ったアオイブリューイングの福島英紀代表は市内に醸造所が5社ある現状に言及し「『ビール大国』静岡でしか作れない商品の代表格として、将来につなげたい」と話した。
推進協議会の事務局を担う市観光・MICE推進課によると、今回の醸造を踏まえ、別の酵母を使う第2弾も構想されているという。
27日お披露目 静岡でイベント
お披露目イベントは、27日午前11時半から静岡市葵区の青葉イベント広場で開催。記念セレモニーのほか、ビールや軽食の販売も行う。式典には「どうする家康」に出演する俳優波岡一喜さんが参加する。入場は先着150人で、午前10時半に市役所静岡庁舎で入場整理券を配布する。ビールの販売は整理券不要で午後5時まで。
ビールは330ミリリットル入り瓶で1本700円。28日以降は同区の静岡浅間神社境内のギフトショップで販売する。問い合わせは静岡市観光・MICE推進課<電054(221)1438>へ。
(教育文化部・橋爪充)
〈2023.05.25 あなたの静岡新聞〉
旧庄屋レストランが開業 家康ゆかり「鈴木家屋敷」を改装 浜松
浜松市東区中郡町の旧庄屋「鈴木家屋敷」を改装したレストラン「鈴松庵(れいしょうあん)」が11日、本格開業した。鈴木家は徳川家康が側室阿茶局を預けた伝承が残り、浜松藩の有力庄屋だった名家。明治期以降の建造とされる家屋は地元住民が復元に努めてきた。人々が歴史に触れ、交流できる店舗を目指す。
同社の小沢邦比呂社長は「四季折々の行事を企画して日本の伝統文化を感じられる場にしたい」と話し、保存グループの村木正弥理事長は「素晴らしい建物になった。今後もみんなで守り、活用したい」と改修を喜んだ。場所は中郡小北側の万斛(まんごく)庄屋公園内。営業は午前10時~午後5時。午前11時~午後2時が本格フレンチのランチ営業、それ以外はカフェ営業。水曜定休。別棟は地域のため開放していく。
(浜松総局・宮坂武司)
〈2023.04.12 あなたの静岡新聞〉