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⚾静岡産大が39季ぶり頂点 静岡学生野球秋季リーグ振り返り

 県内大学の8チームが2回戦総当たりの勝率で争う「静岡学生野球秋季リーグ」。9日に最終週の2回戦4試合(最終戦)を行い、静岡産大が2003年春以来39季ぶりの頂点に立ちました。優勝決定が最終戦までもつれ込んだ混戦の今季。静岡産大ナインの戦いぶりを、ピックアップして1ページにまとめました。

日替わりでヒーロー 最終戦は9番大野が大暴れ

 静岡学生野球秋季リーグは9日、日大国際御園グラウンドなどで最終週の2回戦4試合を行った。静岡産大が10-8で東海大静岡を下して12勝2敗とし、静岡大が日大国際に敗れて3敗目を喫したため、静岡産大の2003年春以来39季ぶり3度目の優勝が決まった。静岡産大は大野真生(浜松学院高出)の3安打5打点の活躍などで東海大静岡との打撃戦を制した。静岡産大は明治神宮大会出場を目指して東海地区秋季選手権(22、23日、岐阜県)に出場する。

優勝を決め、仲間に胴上げされる静岡産大の谷川主将(中央)=日大国際御園グラウンド
優勝を決め、仲間に胴上げされる静岡産大の谷川主将(中央)=日大国際御園グラウンド
◇2回戦=静岡産大2勝
静岡産大
000540001―10
001410002―8
東海大静岡
(産)見目、相馬、山崎―大崎
(東)佐藤武、佐藤孝、望月、宮原、佐藤真、久留島―石井
▽本塁打 渡辺(産)
▽三塁打 大野2(産)車谷(東)▽二塁打 谷川、大野(産)石井、横沢(東)

⚾静大が敗れ、逆転で頂点に

東海大静岡―静岡産大 5回表静岡産大2死二、三塁、谷川が2点適時打を放つ=日大国際御園グラウンド

 最終戦までもつれた混戦の優勝争い。首位静岡大と1勝差の2位で最終週を迎えた静岡産大が逆転で頂点に立った。第1試合で先に12勝目を挙げた静岡産大ナインは会場に残り、第2試合の結果を見届けると萩原監督、谷川主将(天竜高出)を胴上げして喜びを分かち合った。
 約20年ぶりの栄冠。いつも優勝争いに絡みながら、あと一歩で逃してきた。広島入りした大盛ら力のある選手がいた時代も勝てなかった。指揮官は今春、「野球のレベル向上より、学生として当たり前のことを当たり前にできるようにしよう」と選手に呼び掛けた。
 谷川ら4年生を中心にチームは取り組み姿勢を見直した。練習後のごみ拾いや草取り、ネットの修繕などを日課にした。谷川は「以前は個人のことに意識が向いていたけれど、徐々に先輩たちの思いを背負い、チームで優勝を目指すという気持ちが出てきた」と仲間の変化を感じ取った。
 突出した選手がいるわけではなくヒーローは日替わり。最終戦は9番大野が四回1死満塁で三塁打を放つなど長打3本、5打点と大暴れした。大野は「先輩たちがつくってくれたチャンス。何とかしようと思った」と一丸の勝利を強調した。
 〈2022.10.10 あなたの静岡新聞〉

第6週2回戦 1年生見目が完投、1位静大の連勝止める

静岡産大-静岡大 1失点で完投した静岡産大の見目=清水庵原球場
静岡産大-静岡大 1失点で完投した静岡産大の見目=清水庵原球場
 静岡学生野球秋季リーグは2日、清水庵原球場などで第6週の2回戦4試合を行った。3季連続優勝を狙う静岡大は静岡産大に1-3で敗れ、今季初黒星を喫し連勝が11で止まった。優勝争いは最終週に持ち越しになった。
 静岡産大は先発見目大弥(掛川東高出)が相手打線を5安打、1失点に抑えて完投。10勝目を挙げて逆転優勝に望みをつないだ。東海大静岡は日大国際に1-0でサヨナラ勝ち。ともに9勝で並び優勝の可能性を残した。
◇2回戦=1勝1敗
静岡大
010000000―1
00300000×―3
静岡産大
(静)吉田―安竹、竹田
(産)見目―大崎
▽二塁打 木川(静)

見目 静大打線に的絞らせず

 優勝を目前にした静岡大に、静岡産大の1年生が立ちはだかった。失策絡みの1失点でしのぎ自責点ゼロで完投した見目。「序盤から投げたいところに投げられた」。軽快なテンポで投げ抜いた138球を振り返った。
 この日負ければチームの優勝の可能性がなくなる大一番。浮沈を託された右腕は落ち着いていた。春の対戦を踏まえて打席の立ち位置を巧みに変えてきた相手にも臆せず、130キロ台の直球とスライダーを投げ分けて的を絞らせなかった。唯一の連打を浴びた最終回も「気持ちをリセットしてギアを上げた」と締めた。
 春季4勝を挙げて新人賞を獲得した右腕は秋季も4勝目。秋の開幕前にはけがや体調不良で出遅れ、2週目から登板したが、きっちり遅れを取り戻した。「自分たちも優勝を目指している。勝ち続けるしかない」。逆転での優勝を視界に捉えている。
 〈2022.10.3 あなたの静岡新聞〉

第2週1回戦 先発山崎、大学初完封で常葉大浜松退ける

 ※2022年9月4日 あなたの静岡新聞から

静岡産大―常葉大浜松完封勝利を挙げた静岡産大の先発山崎=清水庵原球場
静岡産大―常葉大浜松完封勝利を挙げた静岡産大の先発山崎=清水庵原球場
 静岡学生野球秋季リーグは3日、清水庵原球場で第2週の1回戦3試合を行った。静岡産大は先発山崎晶稀(加藤学園高出)が自身大学初完封で常葉大浜松を退けた。

◇1回戦=静岡産大1勝
常葉大浜松
000000000―0
00000051×―6
静岡産大
(常)遠藤、浜井、飯室―倉沢
(静)山崎―大崎
▽本塁打 後藤、大崎(静)
▽二塁打 谷川(静)

山崎 鍛錬の成果発揮「チャンスだと思った」

 静岡産大の4年生右腕山崎(加藤学園高出)が大学初完封。「真っすぐが良くて、カットボールも要所で決まった」と常葉大浜松打線を散発4安打に抑えた。萩原監督は「春は結果が出なかったけれど、ラストシーズンは期待に応えてくれている」と喜んだ。
 春までは中継ぎが多かった山崎。今季は先発候補が不調で出遅れたため先発の役目が巡ってきた。「やりたかったのでチャンスだと思った」。力で押すタイプだが、力感なく球に切れが出るようになった。春以降、取り組んできた鉄棒にぶら下がって指の力を付ける鍛錬の成果という。
 山崎の踏ん張りに七回、打線が応えた。満塁弾を放った後藤(常葉大菊川高出)は「自分が打って投手を楽にさせたかった」と会心の一打を振り返った。
 (2022.9.4 あなたの静岡新聞)

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