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静岡県内に大きな爪痕 台風15号豪雨被害状況まとめ

 24日未明まで続いた台風15号による大雨は、静岡県内各地に甚大な被害をもたらしました。24日午後7時現在、分かっている被害状況をまとめます。
⇒台風15号豪雨の記事一覧
 〈キュレーター:編集局未来戦略チーム 村松響子〉

掛川で土砂崩れ 住宅1階押しつぶされ、男性死亡

 24日午前0時55分ごろ、掛川市遊家で土砂崩れが発生し、木造2階建て住宅が倒壊したと119番があった。市などによると、住人の男性会社員(45)が約1時間後に心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。死因は圧死だった。  男性は両親と3人暮らし。家族によると、敷地には母屋と離れがあり、男性が生活していた離れ付近の土砂が崩れ、1階が押しつぶされた。男性は1階で発見された。

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土砂で家屋などが倒壊し、住人の男性が死亡した現場=24日午前8時半、掛川市遊家

大雨の影響で倒壊した住宅=24日午前11時40分、掛川市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
大雨の影響で倒壊した住宅=24日午前11時40分、掛川市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
 男性の父(74)は外からガラスを割って助けようとした際、手にけがを負った。「同報無線が流れたあと車庫がきしむ音がした。息子は普段2階で生活しているので逃げようとしたのかも」と話した。

 ■陥没した道路に軽トラック転落 70代男性の安否不明 川根本町

 24日午前2時50分ごろ、川根本町下泉で陥没した道路に軽トラックが転落し、脱出した70代男性が近隣住民に助けを求めた。島田署によると運転手の70代男性が車に取り残された可能性があり、安否が分かっていない。
 道路は幅約2メートル、長さ約20メートルにわたって崩落し、車は深さ約10メートルの場所に転落しているという。同署と消防が救助活動を進めている。現場は大井川鉄道下泉駅から約1キロ離れた山あいで、不動の滝自然広場オートキャンプ場の近く。
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陥没した道路に軽トラックが転落した事故現場=24日午前5時40分ごろ、川根本町下泉(町提供)

浜松市 天竜区で橋の一部崩落 45万人に「緊急安全確保」発令

 台風15号による大雨の影響で、浜松市内では23日夜から翌24日未明にかけ、河川の増水による住宅への浸水や土砂崩れの被害などが相次いだ。

大雨で崩落した橋=24日午前11時10分、浜松市天竜区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
大雨で崩落した橋=24日午前11時10分、浜松市天竜区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
 市内を流れる馬込川や芳川、安間川、掘留川などが増水し、浜北区の馬込川の矢矧橋付近などで越水があった。市は一時、約19万1千世帯、45万9506人に5段階ある警戒レベルで最高の避難情報「緊急安全確保」を発令。市内各所の緊急避難場所には、最も多かった24日午前2時時点で171人が避難した。床上と床下浸水は24日午前8時半時点で計10件を確認。天竜区二俣町の市道天竜仲町山王線では、橋の一部が崩落する被害が出た。
 ■盛り土崩落し住宅3棟損壊 9歳男児ら3人負傷 
 浜松市天竜区緑恵台では24日午前0時15分ごろ、盛り土が置かれていたとみられる崖が地滑りを起こして一般住宅3棟が倒壊、3人がけがをした。同区の市道天竜仲町山王線の嘨月(しょうげつ)橋の一部が損壊する被害もあった。
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崩落した住宅地の盛り土=24日午前11時15分、浜松市天竜区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
 土砂が流れ込んだ3棟のうち、同居していた父(63)、母(41)、長男(9)の3人がそれぞれ軽傷を負った。残り2棟の住民は家を自力で脱出してけがはなかった。
 現場は同市浜北区の国立病院機構天竜病院から約3キロの坂道が多い住宅街。複数の地域住民によると、隣接し合う3棟の裏側の土地には盛り土が積まれていたという。数年前に運び込まれた建設残土とみられ、今回の大雨で崩壊した可能性がある。
 嘨月橋は同日午前2時ごろ、中央部分の橋脚と橋桁が流された。復旧のメドは決まっていない。
 

静岡市清水区 巴川で一部堤防越水 中心部で浸水被害

 24日未明までの台風15号の影響で静岡市清水区中心部では大規模な浸水被害が発生した。JR清水駅近くにある清水駅前銀座商店街のアーケードでも午前2時前後に最大30センチ程度浸水し、洋品店や眼鏡店の商店主らは早朝から商品を店舗外に運び出したり、店内に入った水をかき出したりする作業に追われた。

巴川からの浸水被害の後片付けのため、家屋から川沿いに一時的に出された家具など=24日午前10時半、静岡市清水区江尻町周辺
巴川からの浸水被害の後片付けのため、家屋から川沿いに一時的に出された家具など=24日午前10時半、静岡市清水区江尻町周辺
 近くを流れる巴川からは一部地域で堤防を越水、周辺では道路や車が水没する様子が見られた。
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店舗から水に漬かった商品などを表に出す商店主ら=24日午前11時ごろ、静岡市清水区の清水駅前銀座商店街

 巴川沿いの民家では床上浸水被害が相当数発生している。午後にはほとんどの地域で水は引いたが、清水署周辺でも早朝に道路が冠水するなど一部業務に支障が出た。同署や市によると、区内の山間部では複数の土砂崩れが発生している。一部地域で停電や断水も出ているという。人的な被害は確認されていないという。
 巴川が大規模な浸水被害をもたらした例として1974年7月の七夕豪雨が知られる。流域で堤防の決壊や崖崩れが多発し、多くの死者が出た。

生活に影響 大規模停電/商業施設の臨時休業/携帯電話の通信障害

 台風15号の影響で24日未明に発生した静岡県内の大規模停電は静岡市を中心に中部電力管内の約11万3900戸で続いた。同市内では商業施設や店舗の臨時休業が相次いだほか、信号機が停止するなど交通に支障が出るなど住民生活に影響が出た。

電車内で一夜を過ごず利用客=24日午前3時55分ごろ、JR静岡駅
電車内で一夜を過ごず利用客=24日午前3時55分ごろ、JR静岡駅
 東海道新幹線は23日夜から雨量規制で運転を中止し、県内区間で上下計5本が運行できず、乗客が一時、車内に閉じ込められた。24日も始発から三島―名古屋間などで運転を見合わせている。東海道本線は運転再開が未定。高速道路は東名、新東名、中部横断道の一部区間で通行止めとなっている。
 
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新幹線の切符を買い求めようと列をつくる利用者=24日午前10時45分ごろ、JR静岡駅構内

 静岡伊勢丹や松坂屋静岡店、JR静岡駅ビル「パルシェ」は、停電や大雨浸水のため終日休業を決めた。
 同市葵区の飲食店「うなぎのはら川」の原科君江さん(72)は「停電で冷蔵庫や水槽が使えなくなった。調理器具も電気なので営業できない。早く復旧してほしい」とうなだれた。
 同市駿河区馬淵の県道交差点では、信号機が停止したため朝から警察官が車両や歩行者の交通整理に追われた。
 静岡市によると、市内の一部地域では断水が発生している。

 ■携帯電話各社で通信障害
 台風15号による大雨の影響で、携帯電話各社で通信障害が発生している。
 各社のホームページによると、24日午前現在、NTTドコモは静岡、島田、藤枝、磐田の4市と森、川根本町で携帯電話サービスが利用しづらい状況。ソフトバンク、KDDIでも静岡県中西部の一部市町で影響が出ている。
 各社とも台風による通信設備の停電や故障などが原因としている。