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ありがとうシャンティ 日本平動物園のアジアゾウ天国へ

 静岡市駿河区の日本平動物園のアジアゾウ、シャンティが、53歳で天国へ旅立ちました。1969年に日本平動物園が開園し、翌1970年に来園。50年以上人気を集めました。親子2世代、3世代で親しみのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。哀悼の意を込めて、シャンティの愛らしい姿を振り返ります。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・石岡美来〉

日本平動物園「シャンティ」天国へ 人気のアジアゾウ、献花台設置

 静岡市駿河区の日本平動物園は6日、雌のアジアゾウ「シャンティ」(53歳)が5日朝に死んだと発表した。死因は老衰。開園当初から同園の人気者として愛されてきたシャンティをしのび、献花台を7日から1カ月間程度設置する。

開園当初から来園者の人気者として愛されたアジアゾウのシャンティ=静岡市駿河区の日本平動物園(同園提供)
開園当初から来園者の人気者として愛されたアジアゾウのシャンティ=静岡市駿河区の日本平動物園(同園提供)
 シャンティは1969年生まれで、70年にインドから同園にやってきた。50年以上ともに暮らした雌のダンボ(55歳)とは本当の姉妹のように仲が良く、2頭そろって水遊びするのが大好きだったという。子どものころは静岡まつりのパレードに参加したり、静岡浅間神社に初詣に出掛けたりした。
 シャンティは半年ほど前から足が弱くなり始め、座りづらそうにすることが多くなった。5月3日までは通常通り人前に出ていたが、4日朝に自力で起き上がれなくなり、最後は眠るように死んだという。同園の担当者は「長い間、園を支え一緒に歩んでくれた。安らかに眠ってほしい。市民のみなさんもお別れをしに来てくれれば」と話した。
 同園のゾウを巡っては、ダンボとシャンティの高齢化を受け、2018年から新たなゾウの導入を目指している。タイを有力な輸出先として交渉を続けてきたが、輸出頭数を制限する同国の法律などにより難航している。別の国との交渉も新型コロナウイルスの影響で進んでいないという。新たなゾウの導入は田辺信宏市長が19年4月の市長選で公約に掲げた。
 〈2022.5.7 あなたの静岡新聞〉

仲良しシャンティとダンボ 愛らしい姿を写真で振り返ります

象舎を歩くダンボ(左)とシャンティ

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2017年11月14日静岡新聞朝刊
 

水浴びをするシャンティ(奥)とダンボ


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2013年7月3日静岡新聞朝刊
 

仲が良いダンボ(左)とシャンティ


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2011年5月2日静岡新聞朝刊

50歳の誕生日 ケーキでお祝い お客さんがバースデーソングも

来園者にお辞儀をするシャンティ=静岡市駿河区の日本平動物園
来園者にお辞儀をするシャンティ=静岡市駿河区の日本平動物園
 ※2019年4月29日 静岡新聞朝刊から
 静岡市駿河区の日本平動物園は28日、今月50歳の誕生日を迎えた雌のアジアゾウ「シャンティ」の誕生会を開いた。シャンティにはケーキがプレゼントされ、ゾウ舎の前に集まった多くの来園者が「ハッピーバースデー」を合唱して祝った。
  同園が開園した1969年に生まれたシャンティは国内6番目に長寿のゾウで、人間の65歳ほどに当たるという。70年から同園で飼育している。
  お誕生日ケーキはパンとフルーツで作り、「祝」「50」などとメッセージをつけた。シャンティが来園者へお辞儀をしてケーキを鼻で豪快にすくい上げると、大きな歓声が上がった。担当飼育員の山本幸介さん(32)によると、穏やかで甘えん坊な性格という。
 ※表記、年齢、肩書などは当時のまま

優しいシャンティ 子どもの願いをかなえてあげたことも

ゾウへの餌やりを楽しむ子ども=静岡市駿河区池田の市立日本平動物園
ゾウへの餌やりを楽しむ子ども=静岡市駿河区池田の市立日本平動物園
 ※2008年7月22日 静岡新聞朝刊から
 静岡市立日本平動物園(駿河区池田)は二十一日、来園者が動物園で実現したい願い事をかなえるイベントを同園で行った。市内外から訪れた九組の親子連れが、ゾウやペンギンといった好きな動物に餌をあげるなどの体験を楽しんだ。
  同園は七夕に向けて六月中に願い事を募集した。約三百通の中から選ばれた十二組の親子連れの願い事を、二十日から二十九日にかけて順次かなえている。
  「ゾウにさわりたい」「ゾウに餌をあげたい」「ゾウと写真を撮りたい」という三つの願いをかなえた静岡市葵区の城美月ちゃん(5つ)は、ゾウ舎に入って三十九歳のメスのシャンティの体に触れたり、柵越しにニンジンをあげたりして大満足。「肌が硬くてチクチクした」と目を輝かせていた。
 ※表記、年齢、肩書などは当時のまま
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