ユズの6次産業化 特産生かしまちおこし アグリノス(川根本町)【しずおかMIRUIプロジェクト】
(2020/5/16 16:34)-
人口約6700人の川根本町。茶園の耕作放棄地を活用して、町の特産品の一つになったユズの6次産業化でまちおこしに挑戦している。地元の熱意と色鮮やかでさわやかな香りのユズにほれ込んだ。
社長の石崎翔太さん(37)は神奈川県出身。地方で新規事業を立ち上げる東京の会社に所属し、町に腰を据えて本格的に事業に取り組むべく昨年6月に会社を設立した。
「自分の子どもの世代につながるような仕事に取り組みたい」と3ヘクタールの農園に約1800本の苗を植えた。将来的には10ヘクタールまで拡大する計画だ。
自前のユズが収穫できるようになるまでに5年ほどかかるため、昨年は町内産のユズを使って入浴剤を製作。ことしはマーマレードやゆずこしょうなどを売り出す。クラウドファンディングで調達した資金を活用して、インターネット通販や首都圏への販路開拓を進める。
町では主力となる茶業の閑散期を利用した産業だったユズ生産を第二の柱としたい。古民家を活用したオフィスを構えた。「東京から来た会社を受け入れてもらえ、畑も借りた。一緒にやっていけることを感じた」と手応えを語る。地域に恩返しするためにも「自前のユズが収穫されるころまでに、ヒット商品を出す」。石崎さんの表情が一瞬厳しくなった。
■クラウドファンディング
目標額 100万円
返礼品 マーマレード、ゆずこしょうなど。
■会社概要
2019年創業。川根本町奥泉392。従業員7人
※静岡新聞2020年5月13日朝刊掲載
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