「アセス調査 十分」問題視 静岡県、JR回答に修正求める

 静岡県は6日、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で「引き続き対話を要する事項」としてJR東海に回答を求めた47項目を巡り、2月28日に受け取った回答の修正を求める意見をJRに送付した。回答に「環境影響評価(アセスメント)で実施した調査は生態系の現況を把握するのに十分だ」と追記された部分が見つかり、今後の調査は行わないとも受け取れるとして問題視した。
 追記事項は「生物多様性の保存に関わる基本的な考え方」の項目に記載されていた。県とJRは47項目に関して何度もやりとりをしてきたが、県によると、これまでは記されていなかったという。
 JRは環境アセス以外に、今後実施する調査についても回答書で触れているが、県は「本当に実施されるのか分からない」と懸念を示し、追記事項の趣旨を明確化するようJRに要請した。
 生物に必要な上流部の流量設定など、他の19項目についても修正を求めた。県の織部康宏環境局長は「(県の修正意見に)全く回答していない項目もある。きちんと答えてほしい」とJRの姿勢を批判した。

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