小説家実石さん、母校で講演 静岡・常葉大橘小 執筆のきっかけ明かす

 常葉大橘小(静岡市葵区)で21日、同校出身の小説家実石沙枝子さん(27)が講演した。実石さんは2022年に「きみが忘れた世界のおわり」で第16回小説現代長編新人賞奨励賞に選ばれデビュー。中学生の頃から始めた創作を振り返り、小説の作り方や楽しさを紹介した。4~6年の約150人が先輩の歩みに耳を傾けた。

児童からの質問に答えながら、小説執筆のこつや楽しさを語る実石さん(左から2人目)=静岡市葵区の常葉大橘小(写真の一部を加工しています)
児童からの質問に答えながら、小説執筆のこつや楽しさを語る実石さん(左から2人目)=静岡市葵区の常葉大橘小(写真の一部を加工しています)

 講演のテーマは「ある読書少女の本物の凱旋(がいせん)」。小学生時代はほとんど図書館で過ごしていたとし、「卒業すれば図書館に行けない。本を買うにはお小遣いが足りない。自分で書けば良いとひらめいた」と小説執筆のきっかけを明かした。
 数々の新人賞に応募したが、共通して「展開と構成に難あり」の評価だったという。実石さんは「同じ指摘は素直に受け入れられる。克服すればレベルアップできる」と説いた。さらに子どもたちに「あきらめるな。頑張れ。頑張ってきたことが自分の力になる」とエールを送った。
 教諭らが参加したパネルディスカッションで実石さんは、小説のテーマや登場人物の設定のこつ、日頃の執筆の様子など児童からの質問に答え「なるべく簡単な言葉で分かりやすく書きたい」と語った。

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