がん闘病で家族愛実感 静岡、AYA世代講座

 静岡県立こども病院は20日、小児・AYA(思春期・若年)世代がん医療公開講座「がんを経験した若者が、『家族』という物語を紡ぐこと」を静岡市駿河区のグランシップで開いた。18歳の時に急性骨髄性白血病を発症した俳優の吉井怜さんが講演し、闘病中の家族や周囲の支えを振り返った。

「家族の支えでつらい日々を乗り越えることができた」と振り返る吉井さん=静岡市駿河区
「家族の支えでつらい日々を乗り越えることができた」と振り返る吉井さん=静岡市駿河区

 吉井さんは芸能界に足を踏み入れカレンダー撮影に臨んだものの最終日に倒れ、直後から5カ月半入院。兄の勧めが決め手となり、母をドナーに造血細胞移植を受けた。「家族全員、一貫して寄り添ってくれた」と吉井さん。移植手術を終えた母が手すりを伝いながら無菌室に来てくれたことや父がサプライズで面会ガラス越しに指人形を動かして見せて、互いに泣いてしまったことなどに触れ「感謝しきれない」と話した。
 講座では9歳の時に急性リンパ性白血病を発病した森友紀さんも登壇。「私が見つけた家族の形」と題して、夫と結婚し、特別養子縁組制度を利用して迎えた長男との日々を振り返った。「何気ない毎日でも、決して当たり前ではない。全ての縁に感謝している」と話した。

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