インフル患者増加、警報レベル続く 静岡県感染症週報(12月4~10日)

 静岡県は15日、定点医療機関から直近1週間(4~10日)に報告されたインフルエンザの患者数が、1医療機関当たり33・09人で、前週の26・83人から増加したと発表した。1日当たりの推計患者数は4700人。
 地区別では東部43・68人(前週38・2人)、中部30・29人(同21・12人)、西部24・32人(同19・85人)で、いずれも増加した。全県で警報レベルの状況が続いている。
静岡県庁
 保健所別では賀茂の17・0人から御殿場の105・0人まで差がある。ウイルス検出状況はA型99%、B型1%だった。11月下旬から毎週、B型の患者が確認されている。
 新型コロナウイルスは3・64人で前週の2・79人の1・3倍となった。県内の1日当たりの推計患者数は約500人。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎4・09人、咽頭結膜熱は2・21人、感染性胃腸炎6・39人。いずれも前週を上回ったが、警報開始基準値は超えていない。

インフル全国警報級 年末年始拡大懸念
 厚生労働省は15日、全国約5千の定点医療機関が4~10日に報告したインフルエンザの患者数は16万6690人で、1機関当たり33・72人だったと発表した。過去10年で最も早く警報レベルとされる30人を超えた。前週比1・26倍で、全都道府県で前週を上回った。国立感染症研究所の推計患者数は約111万8千人だった。

 新型コロナウイルスの感染者も3週連続で増加している。どちらも年末年始の忘年会や新年会で流行がさらに広がる恐れもあり、専門家は警戒を呼びかけている。新型コロナ対策でここ数年、インフルエンザの患者数が大きく減少。専門家によると、免疫を持つ人が少なくなり、例年より1カ月ほど早く感染が広がっているという。
 インフルエンザの警報レベルを超えたのは全国33道県。厚労省によると、都道府県別で1機関当たりの患者数が多かったのは、北海道60・97人、宮城57・49人、大分53・71人。少なかったのは沖縄9・67人、秋田20・12人、東京20・30人。休校や学級閉鎖などとなったのは、6382施設に上った。
 例年冬に流行して春ごろに収束するが、今年は全国平均が流行の目安の1人を下回らないまま8月下旬から増加が始まった。10月には注意報レベルとされる10人を超え、異例のシーズンとなっている。
 多くの人は軽症で済むが、子どもが感染するとインフルエンザ脳症を発症したり異常行動を取ったりする場合がある。高齢者や基礎疾患のある人も重症化リスクが高い。

あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞