迫力演技で観客魅了 SPAC出張劇場 「猫踊り」御前崎で上演

 静岡県舞台芸術センター(SPAC)の無料出張劇場「猫踊り」が28日夜、御前崎市の市立図書館アスパルで開かれた。館内のエントランスに特設舞台を設け、来場した市民ら約60人が俳優たちの迫力ある芝居に魅了された。

楽しそうに踊る猫を表現するSPACの俳優=御前崎市の市立図書館アスパル
楽しそうに踊る猫を表現するSPACの俳優=御前崎市の市立図書館アスパル

 猫踊りは函南町軽井沢に伝わる民話で、SPACが芝居にアレンジした。村の男「藤蔵」が夜道を歩いていると竹やぶの中から奇妙な声が聞こえてくる場面から始まり、その奥では言葉を話し笛吹き踊る猫たちの不思議な世界が広がっている物語。そこに藤蔵の飼い猫「シロ」も参加していたことが分かり、最後は“化け猫”に家から出て行ってもらう場面で幕が閉じる。出演した俳優3人は楽しそうに踊る猫や怪奇な出来事に遭遇した藤蔵の表情や動きを演技で表現した。
 上演中、館内の照明を薄暗くして常設ライトを月に見立てるなど演出も工夫した。来場者は約30分間の舞台観賞を楽しんだ。
 構成や演出を担当した渡辺敬彦さんは「芝居を見たワクワク感や踊る猫は本当にいるのだろうかというモヤモヤ感を持ってくれればうれしい」と述べた。

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