故清水奈緒子さん(静岡出身)翻訳の本 母校常葉大に 母喜久栄さん「刺激になれば」
静岡市清水区出身の翻訳家、故清水奈緒子さんが手がけた児童書や絵本72冊を、母の喜久栄さん(同区)がこのほど、奈緒子さんの母校である常葉大(駿河区)に寄贈した。
![清水奈緒子さんが翻訳した児童書や絵本を寄贈した母の喜久栄さん(左)=静岡市駿河区の常葉大](/news/images/n137/1364012/IP231115TAN900057000_0002_CDSP%282%29.jpg)
奈緒子さんは同大の前身、常葉学園大英米語学科の1期生。卒業後は「絵本・大草原の小さな家」「かえるくん」シリーズ、ロアルド・ダールの「こちらゆかいな窓ふき会社」など、海外の名作を多数日本に紹介。2010年には産経児童出版文化賞の翻訳作品賞を受賞した。
奈緒子さんの父、児童文学作家の故清水達也さんは1994年、子どもの本の資料館「遊本館」を駿河区用宗に私設した。奈緒子さんは中学生の頃から翻訳家を志し、初めて翻訳本を出版したのは大学生の時だったという。遊本館を引き継ぐ喜久栄さんは「娘の本を寄贈できてうれしい。今の大学生の刺激になれば」と期待した。
同大付属図書館長の中村孝一教授は「英語を専攻する学生だけでなく、教員、保育者を目指す学生の選書や読み聞かせの実習でも参考になる。大切にしていきたい」と語った。