旧河津西小再利用 民間事業者公募へ 町長が意向

 河津町の岸重宏町長は25日、町内の3校統合に伴い2022年度限りで閉校した旧西小について、将来的な再利用に向けて事業者の公募を実施する意向を示した。公募時期は未定としているが、23年中に国や県の補助金採択に向けて準備を始める。定例会見で明らかにした。

2022年度限りで閉校した旧西小=河津町
2022年度限りで閉校した旧西小=河津町

 岸町長は8月に県主催の自治体と民間のマッチングイベントに参加した際、民間事業者7社から活用策の提案を受けたと説明。町企画調整課によると、宿泊施設や酒類の製造工場、ドローンの資格取得関連施設などの提案があったという。
 同町は川端康成の「伊豆の踊子」の中心として描かれ、舞台の一つになった旅館「福田家」は旧西小近くに立地。福田家は川端自筆の手紙などの資料を所有していて、近くには川端も建立に関わった文学碑が建つ。岸町長は町議会6月定例会で踊子の関連資料の活用を図りたい考えを述べていたが、「民間からどのような提案があるか分からないので、今後(の提案)を見守りたい」と述べた。民間から踊子関連の提案がなくとも、振興の道を閉ざすものではないとの考えを示した。
 既に学校跡の再活用に向け、町内団体の関係者や自治会長らによる委員会が立ち上がっている。同時期に閉校した旧東小についても、24年度に同様の公募を検討しているという。
 (下田支局・伊藤龍太)

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