浙江省と静岡県交流40年 地域外交今こそ 副知事ら訪問、静岡の魅力PR

 中国浙江省の杭州市で23日に開幕したアジア競技大会。同省と友好提携を結ぶ静岡県からは、出野勉副知事らが大会に合わせて現地を訪問した。原発処理水の海洋放出などを巡り両国関係が悪化する中、同省との友好提携から昨年で40周年を迎えた本県の関係者は、アジア大会を契機に友好関係を生かした「地域外交」の加速に期待を寄せる。

中国・杭州市内のデパートに設けられた静岡県をPRするブース=23日午前(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
中国・杭州市内のデパートに設けられた静岡県をPRするブース=23日午前(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
中国・杭州市内のデパートに設けられた本県をPRするブース=23日午前(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
中国・杭州市内のデパートに設けられた本県をPRするブース=23日午前(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
中国・杭州市内のデパートに設けられた静岡県をPRするブース=23日午前(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
中国・杭州市内のデパートに設けられた本県をPRするブース=23日午前(静岡新聞社臨時支局・二神亨)

 友好提携の節目となった昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で相互訪問がかなわず、交流は制限された。昨年12月以降、中国は厳格な行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策の転換を進め、1年延期されていたアジア大会の開催にこぎつけた。コロナ禍後、本県からの本格的な訪問団は今回が初めて。3年間停滞していた交流が再び動き出した。
 今回の訪問団は県職員ら12人。出野副知事は24日まで中国に滞在する。22日は中国東方航空本社を訪ね、24日に運航再開する静岡空港の定期便の上海線に加え、杭州線を含む他路線の早期再開に向けて協力を求めた。
 アジア大会組織委員会から開会式に招待され、式典に出席した出野副知事は「浙江省と本県は友好関係を長年築いてきた。国同士では懸案もあるが、交流再開のきっかけにしたい」と話し、地域外交や今大会の意義を強調する。
 県は23、24の両日、市街のデパートで県内企業の製品をPRするイベントを企画した。ブースには日本酒やバイク、ピアノ、ゴルフ用品を並べ、週末の買い物客らに“メード・イン・シズオカ”の魅力をPRした。中国人富裕層向けに今後力を入れていくゴルフ場への誘客もアピールした。
 訪問団は今回、現地メディアの取材を受けた。県の担当者は「友好都市の浙江省だからこそイベントなどを計画できた。県の認知度を上げ、今後回復に向かうインバウンドを呼び込みたい」と意気込んだ。
 (杭州=静岡新聞社臨時支局・大沼雄大)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞