静岡人インタビュー「この人」 演奏会シリーズ「壬生の響き」を企画運営する 山崎綾さん(浜松市浜北区)

 浜松市天竜区二俣町の天竜壬生ホールで、演奏会シリーズ「壬生の響き」を立ち上げ、地域の文化振興に力を注ぐ。天竜材に包まれた優れた音響を、プロの演奏家の公演で広く伝えるべく企画・発信している。34歳。

山崎綾さん
山崎綾さん

 -企画した経緯は。
 「天竜壬生ホールを指定管理する浜松市文化振興財団の職員として、イベントやワークショップの運営に携わって7年。公演のたびに『いいホールだな』と感じてきた。一方で、その魅力が十分には知られていない現実をもどかしく思ってきた。地域の財産ともいえるホールに、より多くの人に触れていただこうと、開館20周年の昨年に企画を立ち上げた」
 -演奏会の特徴は。
 「平日の夜に限定し、シリーズ公演というパッケージを作ったこと。芸術が日常の一部にあるような環境をつくりたいと考えた。天竜商工会の協力で、区内の飲食店が出店するマルシェも開き、地域の食の魅力を発信するような仕掛けも作ることができた。芸術と食を文化として味わってもらえる催しだと思う」
 -反響は。
 「過去3回の公演では、ユーフォニアムや琵琶など、一般になじみのない楽器を主役にプログラムを組んできた。不安もあったが、3回とも来てくれた方も多くいて、第3回の琵琶公演は満員の盛況だった。ジャンルを問わず、いいものを体感してもらうことが重要と感じている」
 -今後の展望は。
 「9月8日に第4回、来年3月に第5回が開催予定。それぞれピアノリサイタルとソプラノ歌唱の公演に挑戦する。これからも型にとらわれない公演を目指して、ホールの魅力を堪能してもらえるようなシリーズに育てていきたい」
 (垣内健吾)

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