記者コラム「清流」 名物店主の店に幕

 5月中旬、JR沼津駅近くで地域住民に愛された飲食店がビルの老朽化を受けて、38年間の歴史に幕を下ろした。営業最終日は4時間待ちの行列ができたという。サービス精神旺盛な「名物店主」の福木清延さんはユーモアのある人柄も魅力で、取材中何度も冗談を言って笑わせてくれた。
 2021年、夏にエアコンが故障して疲弊している福木さんの姿がテレビで放送され話題に。地元だけでなく全国に常連ができた。福木さんは「寂しいが達成感がある」と話し、閉店後も片付けや旅行など忙しく過ごしていると教えてくれた。旅行先でもファンに声をかけられたという。
 沼津の人気スポットの閉店はさみしいが、店の存在はファンの心に残り続けるはず。ちなみに、新調したエアコンは福木さんの自宅で動き続けているそうだ。
(東部総局・山本萌絵佳)

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