「濁水対策や災害復旧を」 太田川漁協 静岡県と森町に要望書

 森町の太田川漁業協同組合(山本俊康組合長)は20日、太田川で長期化する濁水と、昨年、今年と相次いだ豪雨災害の復旧に関する要望書を県と同町に提出した。漁協としての事業を1年間休止する間に、徹底的な対策の実施を求めた。

県の担当者に要望書を手渡す山本俊康組合長=20日午後、森町の町民生活センター
県の担当者に要望書を手渡す山本俊康組合長=20日午後、森町の町民生活センター

 同町の町民生活センターで開かれた意見交換会で、県河川企画課の山田真史課長と太田康雄町長に手渡した。要望書では「昨年の台風15号以降、太田川ダムの放流水の濁りによって河川の濁りが続き、アユの資源を保護するための最低限の放流もできない状況」と指摘。影響を受ける漁協の経営と、太田川の資源保護に対する補償も求めた。
 説明会には町職員や議員、組合員が出席した。県の担当者が、地元が求めてきた太田川ダム放流水による濁水への対応状況を説明した。要望書を受け取った山田課長は「内容を確認した上で効果的な対策を検討したい」と述べた。
 同組合は川の濁度や、豪雨による流域の被害で遊漁者の安全確保が困難なことなどを理由に、今年の遊漁事業を中止した。山本組合長は「来年は改善されることを期待して再開の準備を進める。復旧を急ぎ、水を利用する住民のためにも一刻も早く川を元通りにしてほしい」と話した。

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