性差無視せず研究開発を 静大シンポ

 静岡大男女共同参画推進室は23日、性差の視点を取り入れた科学・技術開発「ジェンダード・イノベーション」がテーマのシンポジウムをオンラインで開いた。静岡県内の企業関係者や研究者ら約50人が聴講した。

オンラインの聴講者に研究開発の意義を語る本橋副学長(左)=静岡市駿河区の静岡大
オンラインの聴講者に研究開発の意義を語る本橋副学長(左)=静岡市駿河区の静岡大

 室長を務める同大の本橋令子副学長があいさつで、女性の人口流出が多い本県の課題を指摘。性差を無視しない研究開発により、女性研究者の活躍の場を創出し、企業と共同研究を進める必要性を訴えた。
 お茶の水女子大ジェンダード・イノベーション研究所の佐々木成江特任教授が講演した。代謝や薬の副作用に男女差があることに触れ、男女で同じ処方をすると女性の健康被害のリスクが高まると紹介。睡眠導入剤について、米食品医薬品局(FDA)が女性の服用量を男性の半分に変更した事例などを示した。性差への着目により、新たなビジネスチャンスのほか、多様な人の生活の質の向上が期待できると説明した。

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