有機フッ素 指針値超す 浜松の河川4地点

 浜松市は1日、発がん性が疑われている有機フッ素化合物(PFAS)の河川水中濃度を市内18地点で調べた結果、西区の伊佐地川谷上橋など4地点で国の暫定指針値を超えたと発表した。市は「上水道の取水地ではなく、健康への影響は考えにくいが、今後も調査を続ける」としている。
 調査は4月上旬に実施した。最高濃度は谷上橋で、暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)の5倍超の同260ナノグラムに上った。同じ伊佐地川の下流にある中之谷橋で同110ナノグラム、中区の新川起点で同160ナノグラム、その下流にある御茶屋橋で77グラムだった。
 谷上橋と新川起点はいずれも航空自衛隊浜松基地の近接地。防衛省はかつて全国の自衛隊基地など防衛関連施設でPFASの一種、PFOSを含む消火薬剤が使われていたため、21年に泡消火設備専用水槽を調べ、浜松基地の一部の水槽でも暫定指針値を大幅に超える濃度が確認された。
 ただ、同省が既にPFOSを含む薬剤の使用を中止していることから、市環境保全課の担当者は「現時点で原因は特定できない」と話す。PFASは工業用の表面処理剤などにも使われていたが、国際的に規制が進んでいる。国は20年に水質汚濁防止法の要監視項目に追加した。市は21年に市内の河川9カ所で濃度を調べ、この際も伊佐地川と新川で暫定指針値を超える数値が出ていた。

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