静岡浅間神社の再建 解説 企画展講演会 静岡文化芸術大の新妻准教授 静岡市歴史博物館

 静岡市歴史博物館(同市葵区)で開催中の企画展「駿府の華 静岡浅間神社」に合わせた講演会がこのほど、同区のアイセル21で開かれた。静岡文化芸術大の新妻淳子准教授が江戸時代後期に行われた同神社の再建について解説した。

江戸時代後期の静岡浅間神社の再建について講演する新妻准教授=静岡市葵区のアイセル21
江戸時代後期の静岡浅間神社の再建について講演する新妻准教授=静岡市葵区のアイセル21

 新妻准教授によると、現在の静岡浅間神社は1700年代後半の2度の大火で全焼した後、19世紀に再建された。再建当時の社殿が今に伝わる。
 新妻准教授は当時の資料などを基に、駿府城代や町奉行ら役人と棟梁(とうりょう)による再建組織を紹介し、「約60年かけて計画的に造営した」と説明した。
 再建には駿府の住民も協力を惜しまなかったという。基礎を造るための丸太を使った地固め作業には1日当たり約100人の住民が参加し、社殿の材木は清水港から大八車に積んで運び込んだ。新妻准教授は「大工などの職人だけでなく、町人の大活躍もあって再建を成し遂げた」と強調した。
 同博物館の中村羊一〓館長も登壇し、「駿府の人々の心のふるさと」と題して講演した。

 ※中村羊一〓館長の〓は郎の旧字体

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