静岡人インタビュー「この人」 地域再生大賞の優秀賞受賞 シズオカノーボーダーズ代表 岡康史さん(静岡市駿河区)

 健常者と障害者の混成パフォーマンスチームの代表。舞台公演の演出も手がける。地方紙46社と共同通信が主催する第13回地域再生大賞で、「文化芸術のバリアフリー」を実現させた活動が評価され優秀賞に選出された。藤枝市出身、54歳。

岡康史さん
岡康史さん

 ―受賞の感想は。
 「大変光栄。互いに遠慮なく意見を言い合える関係を築いてきた仲間がいたから受賞できた。『がんばってるね』の拍手ではなく、『いい作品だったね』の拍手を目指して取り組んできた結果。みんなと喜びを分かち合った」
 ―演劇との出合いは。
 「特別支援学校に通っていた17歳の時に、演劇が好きな教師の誘いを受けた。肢体不自由の障害があり、自分が物事の中心になることなんて起こらないと思っていたが、舞台上では誰もが平等になれると感じ、魅了された」
 ―演出家として心がけていることは。
 「障害者は身体の特性や障害の程度により、体の可動範囲の違いやダンスの振り付けの得意、不得意がある。声かけする時の言葉選びで表情や動きが変わってくるので一人一人に寄り添った接し方を意識している」
 ―21年に東京・豊島区の劇場が主催する障害者の舞台公演を演出した。静岡との違いを感じたか。
 「出演者に聾(ろう)者がいて、稽古と公演に手話通訳が付いた。聴覚障害者も舞台に立てるのは素晴らしいこと。われわれの活動には、まだ伸びしろがあると感じた。多様性を認め合う社会になりつつあるが、健常者に比べれば障害者が舞台芸術を楽しむ機会はまだ少ない。障害者と舞台芸術がつながる方法を今後も模索していきたい」

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