裾野市 健康福祉部長を文書訓告 園児虐待事件で対応遅れ

 裾野市の私立さくら保育園の園児虐待事件への対応が遅れたとして、市は13日、健康福祉部長を文書訓告、同部次長兼子育て支援監とこども未来課長の2人は口頭注意の処分にしたと発表した。村田悠市長は3人を懲戒処分にする意向を明らかにしていたが、職員の処分を決める審査委員会の結果を踏まえ、懲戒には至らない人事的措置にした。

裾野市役所
裾野市役所

 文書訓告などは原則として公表の対象ではないが、今回は社会的な影響を考慮したという。村田市長は健康福祉部長を交代させる考えを示し、春の定期異動の対象にするとみられている。
 健康福祉部は昨年8月中旬に園関係者からの通報で保育士3人による虐待行為を把握しながら、村田市長への報告は3カ月以上たった11月末と遅れた。部長らは「事案を正確に把握してから市長に報告しようと思っていた」などと説明していた。ただ、この間も園に是正を指導するなど対処していたため、審査委は「懲戒処分には該当しない」と判断したという。村田市長と及川涼介副市長も責任を取り、共に報酬を返上する方針。
 県と市は合同で特別監査を実施し、園の運営法人に対して9日に改善勧告を出した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞