田代ダム案、東電と協議へ JR東海 県専門部会で表明 協力得られるか焦点【大井川とリニア】

 静岡県庁で25日開かれたリニア中央新幹線トンネル工事の大井川水問題を協議する県有識者会議の専門部会で、JR東海はトンネル湧水の県外流出対策として提示していた田代ダム取水抑制案について、ダムを管理する東京電力との協議を開始すると表明した。同案の実現可否を巡る議論の焦点は、JRが東電の協力を取り付けられるかに移ることになる。

県有識者会議の地質構造・水資源専門部会での主な意見
県有識者会議の地質構造・水資源専門部会での主な意見

 JRは、東電から提供を受けた過去10年間の日ごとの河川流量実測値を示し、渇水期も含め「全ての日で還元(必要な取水抑制量の確保)が可能」と案の実現に自信を示した。同資料の提出を求めていた森下祐一部会長(静岡大客員教授)は一部のデータが示されていないことに懸念を示したものの、会議後の取材に「一応のデータはそろった」との認識を示し、東電との協議を「ぜひやっていただかないと」と述べた。
 一方で懸念も残っている。山梨県から静岡県に向けて実施する高速長尺先進ボーリングで山梨側に流出する湧水を静岡側に戻す方法として田代ダム案の活用が有力視されている。JRの沢田尚夫中央新幹線推進副本部長は「県境をまたぐのがだめだとまさか言われると思っていなかったので、東電とその話はしていない」とし、今後の協議に不安をのぞかせる場面があった。
 同案を巡っては委員から工事後の継続した活用に期待する声もあるが、沢田副本部長は「水利権が削られるなどの話になると東電は協議につけない。工事期間中限定の方策という前提で話したい」と強調した。
 県の石川英寛政策推進担当部長は、東電が冬場に必要としている毎秒0・81トンの発電施設維持流量がJRの試算に考慮されていないことから「確認が必要」との考えを示した。

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