水俣病団体側に抗議電話が数件 「時間守らない方が悪い」

 水俣病被害者の発言遮断問題に関し、伊藤信太郎環境相との懇談に出席した被害者団体などに「(あらかじめ設定された)3分の持ち時間を守らない方が悪い」などと抗議する電話が数件寄せられたことが10日、各団体への取材で分かった。伊藤氏は同日の閣議後記者会見で「誠に申し訳ない。患者や被害者の皆さんに影響が出ないようにしたい」と述べた。

水俣病患者らでつくる団体との懇談を終え、退席する伊藤環境相(奥中央)=1日、熊本県水俣市
水俣病患者らでつくる団体との懇談を終え、退席する伊藤環境相(奥中央)=1日、熊本県水俣市

 熊本県水俣市で1日に行われた懇談に参加した団体によると、伊藤氏が再び同市を訪れ謝罪した8日夜、東京都の男性を名乗る人物から「3分を守らないあなたたちが悪いのに被害者ぶって抗議するのはおかしい」と非難する電話があった。
 応対した団体事務局長の男性(69)は「持ち時間を厳守する努力はしている。マイクを切られたことは初めてだったから抗議した」と答えたが、納得しない様子だった。別の団体にも同様の抗議の電話があった。
 懇談に参加していない被害者支援団体にも3件の電話が来た。「3分を超えても話すのはどうなのか」「地域内で対立が生まれないか心配だ」などと、水俣病を巡る混乱を懸念する内容だった。
 10日に記者会見した熊本県の木村敬知事は「非常に憤りを感じる。患者や被害者、支援者への誹謗中傷はあってはならないという意識啓発を徹底したい」と語った。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞