イラン領に限定反撃検討か イスラエル、国外拠点も

 【エルサレム共同】イスラエル戦時内閣は16日、3日連続でイランによる攻撃への対応を協議した。米CNNテレビは、イスラエルがイラン領内への限定的な反撃を検討していると報道。米NBCテレビは被害が小規模にとどまったことで、イスラエルに隣接するシリアやレバノンを拠点とする親イラン勢力を狙うことも視野に入れていると伝えた。

イスラエル軍が公開したイラン製とされる弾道ミサイル=16日、イスラエル南部(ロイター=共同)
イスラエル軍が公開したイラン製とされる弾道ミサイル=16日、イスラエル南部(ロイター=共同)

 イスラエルメディアによると、ドイツのベーアボック外相、英国のキャメロン外相がイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談する予定。紛争拡大の回避に向けて抑制的な対応を求める見通しで、外交攻勢が活発化している。先進7カ国(G7)も17~19日にイタリア・カプリ島で外相会合を開き、情勢の沈静化に向けた方策を話し合う。
 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は16日の声明で、米政府が数日中にイランへ新たな制裁を科すと表明し、同盟国などにも制裁の発動を要求。中東地域の防衛態勢の強化も含む「絶え間ない圧力」を加え、イランの軍事能力を封じ込めると強調した。
 イスラエルメディアによると、戦時内閣の協議後、同国の政府当局者は反撃を巡り「イラン国内か、イラン国外か」と述べ、イランに推測させ続ける考えを示した。戦時内閣に加わるガンツ元国防相は16日の講演で、イスラエルは「自らが選んだ場所、時間、方法で対応する」と述べた。
 イスラエル軍報道官は16日、同国中部にある基地で、軍が迎撃したとするイランの弾道ミサイルの残骸を報道陣に公開し「イランは無傷で済まない」と強調した。

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