大迫がパリ五輪代表入り 選考最終戦の東京マラソン

 パリ五輪男子代表の残り1枠を争う東京マラソンは3日、東京都庁前から東京駅前のコースで行われ、2022年世界選手権代表の西山雄介(トヨタ自動車)が2時間6分31秒で日本勢最上位の9位に入った。日本陸連の設定タイム2時間5分50秒を突破できず、昨秋の代表選考会で3位だった大迫傑(ナイキ)の2大会連続の五輪マラソン代表入りが決まった。

昨年3月の東京マラソンで力走する大迫傑=東京都内
昨年3月の東京マラソンで力走する大迫傑=東京都内
男子の日本勢トップとなる9位でゴールする西山雄介=東京都千代田区
男子の日本勢トップとなる9位でゴールする西山雄介=東京都千代田区
昨年3月の東京マラソンで力走する大迫傑=東京都内
男子の日本勢トップとなる9位でゴールする西山雄介=東京都千代田区

 昨夏の世界選手権代表の其田健也(JR東日本)が西山雄から23秒遅れで日本勢2番手の11位。日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)は28位、東京五輪代表の服部勇馬(トヨタ自動車)は36位、日本歴代3位の自己記録を持つ山下一貴(三菱重工)は46位だった。
 ベンソン・キプルト(ケニア)が世界歴代5位となる2時間2分16秒の大会新記録で制し、五輪2連覇中のエリウド・キプチョゲ(ケニア)は10位だった。
 女子は新谷仁美(積水化学)が2時間21分50秒で日本勢最高の6位。ストゥメアセファ・ケベデ(エチオピア)が大会新記録の2時間15分55秒で優勝した。(スタート時晴れ、気温9・6度、湿度22%)
 大迫傑(おおさこ・すぐる)中学で本格的に陸上を始め、長野・佐久長聖高、早大で活躍。16年リオデジャネイロ五輪は5000メートル、1万メートルに出場。マラソン転向後、18年のシカゴで2時間5分50秒、20年の東京で2時間5分29秒と当時の日本記録を更新。6位だった21年東京五輪を最後に現役引退したが、22年2月に復帰を発表。ナイキ所属。170センチ。32歳。東京都出身。
代表出そろう パリの舞台 上位進出なるか  パリ五輪の男子マラソン代表選考会が終わり、全3枠が埋まった。昨秋の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で1~3位だった小山直城(ホンダ)赤崎暁(九電工)大迫傑(ナイキ)に決定。初出場の小山と赤崎、6位だった東京五輪を経験している大迫の顔触れで、世界の強敵に挑む。
 東京を含めた「ファイナルチャレンジ」3戦で、日本陸連が設定した記録は2時間5分50秒。世界記録から5分以上遅い日本歴代3位相当のハードルをクリアする選手は現れなかった。強化に携わる瀬古利彦さんが「われわれが想像する記録が出なかったのは非常に残念」と言うように、まだ世界との距離はある。
 起伏が激しく「五輪史上最難関コース」とも言われる今夏の舞台で、日本勢が目指すのは入賞が現実的。単純なタイムだけの勝負にはならないが、駆け引きを含めた経験値は欠かせない。4月のボストン・マラソン出場を予定している大迫へ、瀬古さんは「五輪経験者でアドバイスができるのは大迫だけ。彼にはマラソンメンバーを引っ張ってもらう役目がある」と期待を込めた。

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