自殺者数なお2万1千人 23年、コロナ禍後高止まり

 2023年の自殺者数が2万1818人となったことが26日、警察庁の自殺統計(暫定値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。22年の確定値と比べて63人減り、2年ぶりの減少。新型コロナウイルス流行前の19年は2万169人だったが、20年以降は2万1千人台が続いており高止まりの状態だ。

主な悩み相談窓口
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 22年に過去最多の514人だった小中高生は、7人減の507人となり、内訳は小学生13人、中学生152人、高校生342人。厚労省担当者は「子どもの自殺に関する施策は全てが重要。自殺予防教育などを推進したい」としている。
 全体の男女別は、男性が2年連続で増え前年比108人増の1万4854人。中高年の増加が目立った。女性は171人減の6964人だったが、コロナ禍前の19年より873人多い。
 原因・動機別では、健康問題が最多の1万2336人(438人減)。次いで経済・生活問題5157人(460人増)、家庭問題4715人(60人減)の順だった。
 人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は前年と同じ17・5人。男性は24・4人(0・1人増)、女性は10・8人(0・3人減)だった。都道府県別で高かったのは山梨26・8人、和歌山24・8人、岩手22・4人。低かったのは鳥取13・2人、徳島14・2人、福井14・5人。
 厚労省によると、毎年1月の統計は昨年まで速報値を公表していたが、警察庁が23年4月から速報値の計上をなくしたため、今年公表分からは、年代や職業別も集計する暫定値になった。

 警察庁の自殺統計 警察は変死者の死因を調べるなどして自殺と判断すると、職業や自殺方法を「自殺統計原票」に記録する。警察庁は原票を集計し月別統計などを速報値で公表していたが、2023年4月からは速報値の計上をなくし、年代や職業など集計範囲が広い暫定値にした。年間データの確定値は毎年3月にまとまる。統計には国内で自殺した外国人も含まれることなどから、日本人だけを対象とする厚生労働省の人口動態統計と数字が異なる。

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