「大震災支援の恩返しを」 東北から続々被災地入り

 最大震度7を観測した能登半島地震の被災地石川県に、東日本大震災を経験した東北から続々と支援が届き始めている。「頂いた支援の恩返しを」と関係者は口をそろえる。物資や応援職員の他、大震災と同じく寒い避難生活を支えるため、温かな食べ物を提供できるキッチンカーが出発。シャワー設備も届けた。

フードバンクが集めた炊き出し用の野菜などをトラックに積み込む、被災者支援団体「BIG UP石巻」のメンバーら=5日午後、宮城県富谷市
フードバンクが集めた炊き出し用の野菜などをトラックに積み込む、被災者支援団体「BIG UP石巻」のメンバーら=5日午後、宮城県富谷市

 大震災時に多くの犠牲者が出た宮城県石巻市は5日、石川県の各自治体に必要な物資を聞き取り、珠洲市、輪島市などに食料や粉ミルクを発送した。危機対策課は「これまで返し切れないほど頂いたご恩を少しでも返したい」としている。
 岩手県大槌町からは同日、食肉加工業者「MOMIJI」のキッチンカーが、豚汁などを提供するため石川県輪島市に出発。同社の藤原朋さん(39)は、孤立集落や避難所に向かうといい「現地の細やかな声を拾い、温かい支援を行き届かせることが、大震災を経験した私たちにできること」と話した。
 岩手県北上市の医療用ガス販売会社「北良」の笠井健社長(49)は3日夜、テント型シャワー室を設置するため断水が続く石川県珠洲市や能登町に入った。排水の98%以上を再利用できる機能を備えており、6日から使えるという。「断水で高齢者や女性、子どもを中心に衛生環境の悪化が心配。災害関連死を防ぎたい」と力を込めた。
 福島県も5日、保健師2人と事務職員1人からなるチームを派遣。避難所の被災者や在宅の要支援者の健康管理を行う。計11班を2月末まで交代で送る見通しだ。

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