航空運賃節約、「悪用」に警鐘 米大手、3年間の搭乗禁止も

 【ワシントン共同】米国で航空運賃が高騰する中、経由地で降りて乗り継ぎ便に搭乗しないことで出費を抑える「スキップラギング」が問題化している。扱う業者は運賃体系の穴を突いて「格安料金を提供している」とうたうのに対し、運送約款で禁止した航空会社は「悪用だ」と警鐘を鳴らす。利用者の航空券を没収し、3年間の搭乗禁止としたケースも起きた。

離陸するアメリカン航空の旅客機=6月、米メリーランド州(共同)
離陸するアメリカン航空の旅客機=6月、米メリーランド州(共同)

 訪れる都市を経由して別の都市まで飛ぶ航空券を購入し、乗り継ぎ便を利用しないスキップラギングは違法ではない。だが、乗り継ぎ便に搭乗しないことで出発の遅れを招いたり、他の顧客の予約機会を奪ったりする恐れがあり、全日本空輸や日本航空も約款で「実際の搭乗を目的としない予約行為を禁止します」とくぎを刺している。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、アメリカン航空は南部フロリダ州ゲインズビルの空港で今年夏、スキップラギングを企てた当時17歳の少年から南部ノースカロライナ州シャーロット経由のニューヨークまでの航空券を没収。シャーロットまでの航空券の買い直しを求め、3年間の搭乗禁止とした。
 ニューヨークまでの航空券は150ドル(約2万2千円)と、シャーロットまでより300ドル程度安く売っていたという。
 アメリカンは8月、スキップラギングの航空券を販売する業者を相手取って南部テキサス州の裁判所に提訴した。
 だが、米ユナイテッド航空がかつて業者に対して起こした訴訟は棄却された。この業者は公式サイトで「訴訟になったが、当社が勝利を収めた」とアピールしている。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞