原発警備会社ビルで放火か、東京 刃物所持疑い、元従業員を逮捕

 29日午前10時20分ごろ、東京都港区虎ノ門2丁目の原発セキュリティー会社「日本原子力防護システム」が入るビルで「男がガソリンをまいて火を付けた。消火した」と同社社員から110番があった。警視庁によると、15階にいた男が刃物を所持しており、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。男は自称静岡県藤枝市に住む20代の同社元従業員で「火を付けた」と話している。灯油がまかれたとみられる。

「日本原子力防護システム」が入るビル=29日午前11時6分、東京都港区
「日本原子力防護システム」が入るビル=29日午前11時6分、東京都港区

 男はなたのような刃物やナイフを所持していた。けが人はいなかった。同社がある15階のエレベーターホール付近のカーペットに焼けた跡があり、関係者が直後に消火したとみられる。現場付近からはポリタンクが見つかった。警視庁が状況を調べている。
 日本原子力防護システムのホームページによると、同社は、原発や関連施設を対象としたセキュリティー専門会社で、1977年設立。防護システムや機器の技術開発、保守点検を事業目的に挙げている。資本金2億円で、社員数は659人(2023年3月末時点)。
 ビル付近を通りかかった50代の女性は男が警察官に連れられてビルを出る様子を目撃した。真っすぐ前を向き、叫んだり暴れたりすることなく落ち着いた様子だったという。女性は「消防車や警察車両が集まり、騒然としていてびっくりした」と話した。

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