完食強要でさいたま市に賠償命令 小学校の給食巡り地裁

 さいたま市立小学校に通っていた女性(17)が、担任の男性教諭から給食を完食するよう強要されて精神的苦痛を受けたとして、市に880万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、さいたま地裁(関根規夫裁判長)は26日までに、33万円の支払いを命じた。
 判決によると、男性教諭は2017年4~6月、当時5年生で同級生の1割程度の食事量だった女性に「これぐらいは食べられるよね」と言って食べきれない量の給食を盛った。女性は怖くて「残していいか」と聞けず、残りを給食袋に隠して持ち帰った。
 女性はその後欠席するようになり、7月には不登校になった。給食袋の残飯から異臭が出て、同級生らから「汚い」「あっち行け」などと騒がれる出来事もあった。
 関根裁判長は判決理由で、女性には偏食の傾向があり、それを改める目的があったとしても「適正な食事量を把握せず事実上完食を強要するもので、人格権を侵害する違法行為」と認定した。判決は25日付。
 市教育委員会は取材に「判決文が手元に届いていないのでコメントは差し控える」とした。

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