新型コロナ、1~2割に後遺症 ワクチン接種者で少なく

 新型コロナウイルス感染後に症状が長引く後遺症を巡り、厚生労働省研究班は成人の感染者11・7~23・4%に後遺症があったとする調査結果を公表した。感染前にワクチン接種をしていた人は未接種者に比べて症状が出た割合が少なかった。オミクロン株流行期の感染者を含む後遺症の研究班の調査結果が出るのは初めて。
 国立国際医療研究センターなどの研究者が札幌市、東京都品川区、大阪府八尾市で成人と子ども約5万3千人分の有効回答を得た。2020年1月~22年9月の感染者と非感染者を対象にした。
 ワクチン接種者は未接種者に比べて、後遺症が出た割合は約25~55%少なかった。子どもで後遺症が出た割合は成人より少なく、感染者の6・3%だった。
 主な症状は疲労感や倦怠感、せき、集中力低下など。オミクロン株流行期はそれ以前より発症頻度は低かった。後遺症の定義は世界保健機関(WHO)に合わせ、感染から3カ月たってもみられ、少なくとも2カ月以上続いた症状とした。
 結果を受けて厚労省は年内に診療の手引を改訂する。

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