自民党・二階派、相次ぐ離脱 第5派閥、後継問題も

 自民党の二階俊博元幹事長が率いる二階派を離脱する議員が相次いでいる。2021年10月の岸田政権誕生に伴い幹事長を外れたのを契機に所属議員は41人まで減り、党内6派閥中、5番目にとどまる。非主流派から反転攻勢に出る展望は描けていない。84歳の二階氏の後継者問題も抱える。

昨年4月、記者団の取材に応じる自民党の二階俊博元幹事長=和歌山市
昨年4月、記者団の取材に応じる自民党の二階俊博元幹事長=和歌山市

 「去る者は追わず、だ」。二階氏は7月18日、かつて派閥の会長代行を務めた河村建夫元官房長官の長男・建一氏が求めた面会を拒否した。建一氏は自民を離党し、次期衆院選で日本維新の会から出馬する報告のため自民党本部を訪れていた。
 二階氏は安倍、菅両政権下で歴代最長の5年超幹事長を務め、主流派の一角を占めた。選挙の公認や資金配分を決める絶大な権限を握る幹事長派閥の恩恵にあずかろうと、入会希望者が続いた。20年10月には48人に達し、岸田派を抜いて第4派閥となった。
 だが「党役員は1期1年、連続3期まで」との党改革を掲げた岸田政権が発足すると、二階派は党四役から外され、非主流派に転落した。
 退潮する派閥に見切りを付けるかのように、昨年4月、片山さつき元地方創生担当相と衛藤晟一元沖縄北方担当相が退会。今年2月と6月には、泉田裕彦、中川郁子両衆院議員が派閥を去った。
 二階氏の求心力に陰りが見える中、後継者問題もくすぶる。若手の面倒見が良い事務総長の武田良太元総務相が有力候補とされるが、反発するベテランも少なくない。
 二階氏と長年、活動を共にしてきた重鎮は懸念する。「二階氏が政界を引退した途端、二階派は空中分解しかねない」

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