独、主力戦車14両の供与発表 他国所有分も承認、米は30両

 【ベルリン、ワシントン共同】ドイツ政府は25日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、自国の主力戦車レオパルト2を14両供与すると発表した。ポーランドなど保有国による提供も承認する。

ドイツ製主力戦車レオパルト2=2011年9月、ドイツ・ミュンスター(AP=共同)
ドイツ製主力戦車レオパルト2=2011年9月、ドイツ・ミュンスター(AP=共同)
25日、議場に着席するドイツのショルツ首相=ベルリン(ゲッティ=共同)
25日、議場に着席するドイツのショルツ首相=ベルリン(ゲッティ=共同)
ドイツ製主力戦車レオパルト2=2011年9月、ドイツ・ミュンスター(AP=共同)
25日、議場に着席するドイツのショルツ首相=ベルリン(ゲッティ=共同)

 米ABCテレビは、12カ国がレオパルト2を計100両供与する見通しとなったと報道。米主要メディアは24日、米国が米軍の主力戦車エーブラムスを供与する方針を固めたとし、約30両を送ると25日にも発表する可能性があると伝えた。
 ドイツは戦火が拡大し北大西洋条約機構(NATO)に及ぶことを恐れ、供与に慎重だったが、方針転換した。
 戦車は、これまでにウクライナに提供された中で、最も強力な攻撃的兵器の一つとなる。ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、「同盟国は必要な数の戦車を持っている」とし、他国も供与を決めるよう促した。
 ロシアのペスコフ大統領報道官は25日、エーブラムスについて「性能が誇張されており、供与は失敗するだろう」と指摘。レオパルト2についてはドイツ側と「話していない」と述べるにとどめた。
 英シンクタンク、国際戦略研究所によると、欧州ではドイツを含むスペインやポーランドなど14カ国が計約2千両のレオパルト2を保有。ABCは、ドイツ西部のラムシュタイン米空軍基地でNATO非加盟国を含む約50カ国が参加して開かれた20日の関係国会合で、製造国ドイツの承認を前提に12カ国が提供に同意したとしている。
 エーブラムスが戦場に届くまでには数カ月から数年かかる見通し。運用には高度な技量を要するため、ウクライナ兵の訓練が不可欠で、実際の投入がいつになるかは不明だ。
 ドイツがレオパルト2の供与を決めるに当たって、米国がエーブラムスを出すよう求めたと報じられ、バイデン政権は同一歩調を求めるドイツに歩み寄った。

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