かんたん自然遊び【夏】シュロの葉っぱをらせん状に折って…本物みたい!?カタツムリを作ろう(山田辰美/常葉大名誉教授)

 梅雨の季節に普段はめったに見られない姿を現す生き物と言えば、カタツムリです。うずを巻いた殻を背負っていることや、雨の中をお散歩すること、角の先に目玉があることなど、全く変わった生き物です。子どもとそんなお話をしながら、今月は緑が濃く光沢のあるシュロの特徴を生かしたカタツムリを作ります。

シュロの葉で作ったカタツムリとバッタ
シュロの葉で作ったカタツムリとバッタ
シュロの葉で作ったカタツムリとバッタ

 シュロは暮らしに役立つ有用植物として昔から里の人々に大事にされてきました。シュロの皮は、縄(シュロ縄)やたわし、ほうきなどの材料によく使われ、長い柄の付いた葉はハエたたきとして多くの家庭で使われていました。
 ところが、このヤシ科植物の天然分布は九州地方南部で、静岡県などにあるシュロは人の手で持ち込まれたものだったのです。昔、たくさんのシュロが里に植えられ、今もきれいに並んでいる様子が見られます。確かに南国の青空が似合うヤシの形そのものですが、今では東北地方でも多く見られます。
 暮らしに役立つことから各地に広がったのでしょうが、静岡県では主に里山で、東京などでは公園や人家の庭で増え過ぎて困っています。これは近年、地球温暖化やヒートアイランド現象によって自然繁殖できた種をカラスなどが運んでいるようです。
 手の届く高さに葉があれば良いのですが、高く伸びた頂点から四方に葉が伸びるため、高枝ばさみが必要なことも多いかも知れません。里山や公園などで若いシュロの木を探しましょう。カタツムリの他、バッタやザリガニ、カマキリ、龍などが作れます。バッタの作り方は動画でも紹介しています。(山田辰美/常葉大名誉教授)

 ■作り方と遊び方
 *シュロのカタツムリ
(1)長い葉柄から放射状に伸びた小葉1枚(1匹分)を用意。
(2)葉の中央の芯を2/3程度はさみで切る。
(3)残った芯部分を左手で持ち、まず上の葉を下の葉の向こう側に45度の角度で折る(1回目)。
(4)上の葉を下の葉の向こう側に折る(2回目)。
(5)5~6回折ってできた弧を芯のある葉の手前にして、折る動作を繰り返す。
(6)さらに10回ほど折り殻の形ができたら芯のある葉を折り返しらせんの下に挟む。
(7)折り目に2カ所5ミリほど切り込みを入れ角を2本立てる。

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動 画

  • 【動画】シュロの葉っぱでカタツムリを作ろう

  • 【動画】シュロの葉っぱでバッタを作ろう

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