J2藤枝MYFCの梶川諒太選手のJリーグ通算400試合出場が、残り2戦まで迫っています。豊富な経験をチームに還元し、真摯(しんし)にサッカーと向き合う頼れるベテラン。渡り歩いてきたどのクラブでも献身的なプレーで信頼を得て、数字を積み上げてきました。大記録を前にしても意識は変わらず。全力プレーでチームへの貢献を誓います。
MF梶川諒太「もっとサッカーに懸けていい」
―古巣・長崎との前節を振り返って。須藤監督もおっしゃっていましたが、もう少しボールを動かせたのではないかと思いました。相手は前から圧倒的なプレスをかけて来たわけでもなかったですし、連動した守備をしてきたわけでもなかった。強力な個がいましたが、守備をおろそかにしている選手も見受けられたので、そこでうまく裏を取るなど、走らせることはもう少しできたんじゃないかなと思いました。
―残り2戦でJ通算400試合出場という節目となる。
いろんな人の支えがあってここまで来られました。今年は出場機会がそう多くはない。ただ、今までも出番が少ないシーズンがありました。その中で自分に何ができるかをずっと考えながらやってきました。
圧倒的な個があるわけでもなければ、足が速いわけでもなく、抜群のテクニックがあるわけでもない。それでもここまで来られたのは、チームに何が必要かを考えながら積み上げてこられたから。
今もずっとスタメンで出たいし、途中からでも流れを変えてチームを勝たせたいという思いがありますが、選ぶのは監督やコーチ。悔しい思いはありますが、引退する時に、もう少しやっておけば良かったとは絶対に思わないようにというのが自分の中でのぶれない軸です。いつ出番がきてもいいようにずっと準備をしていますし、「何苦楚(なにくそ)魂」というか反骨心ももちろんあります。外に何かを向けるのではなく、とにかく自分に何ができるかを考えながら、その上で400試合を通過点としてやっていきたいです。
―若い頃と比べると、体の状態も変わっているか。
移動で腰に負担が来るとか、その辺は多少年齢なのかなと感じますが、走れなくなったわけではないですし、経験値は昔より確実に上がっていると思うので、自分の中では落ちたという感覚はないです。ただ、毎年何かしらやるべき事を増やしていかないと簡単に劣化してしまうというのは感じているので、走り続けることは必要なのかなと思います。
―全体練習とは別にいつも自主練習をしているが、それも年齢と関係があるのか。
常に朝来て2.5キロぐらいを毎日走り続けています。今までは補強のトレーニングで終わっていましたが、今年は毎日走ることを続け、そのおかげで体の状況も悪くありません。技術的なトレーニングはずっとやっています。ミスが許されるポジションではないので、年齢に関係なくずっと続けています。
―残り試合への意気込みを。
可能性がある限り上を目指さないといけないと思います。ただ、チームとしての雰囲気を考えた時に、昇格を経験した者として言うと、より厳しく要求するなどして、一個のプレーに対する責任をもう一つも二つも上げていかないと、たどり着くのは難しいと思います。
本当に仲の良い若い選手が多く、良いやつが多いのですが、もっと厳しくていいんじゃないかと。雰囲気として少し緩いと感じる部分も、やはりあります。昇格したチームは仲は良かったけれど、ピッチの中での厳しさはもっとあった。そこを僕がもっと伝えないといけないと感じます。
しかし、出ていない中でやみくもに言うのも伝わりきらないと思うので、うまくタイミングを見るとか、伝え方を変えるなど考えないといけない。ただ、本当にそれぞれがサッカーを長くやっていきたいのなら、もっとサッカーに懸けていい。楽しさはその後でいいと思いますので、もっともっとみんなが高みを目指して本気で昇格を見据えていかなければと思います。